四段活用の見分け方と動詞の活用

古文における「動詞」とは?
動作や存在を表す語で「~ウ」で終わるものを動詞と言います。例えば「行く」は「~く」で終わっているので動詞です。
活用ってなんだ?
で、動詞は活用する品詞です。活用とはある動詞の一部または全部が下に付く語によって変化することをいいます。
例えば「書く」。「書く」に「ズ」を付けてみると「書く→書かズ」と変化します。あるいは「書く」に「タリ」を付けてみると「書く→書きタリ」と変化しますね。これを活用といいます。
四段活用の見分け方・覚え方

四段活用とは-a/-i/-u/-u/-e/-eのことです。
例えば、「書く」は四段活用なので以下のように活用します。
- 書かズ(未然形a)
- 書きタリ(連用形i)
- 書く。(終止形u)
- 書くトキ(連体形u)
- 書けドモ(已然形e)
- 書け!(命令形e)
ちゃんと「a/i/u/u/e/e」になっていますね。「か/き/く/く/け/け」とカ行になっているので、正確には「書く」はカ行四段活用です。
ちなみに活用形の意味は、
- 未然形→まだ起こっていない形
- 連用形→用言に連なる形
- 終止形→文が終わる形
- 連体形→名詞(体言)に連なる形
- 已然形→もうそうなっている形
- 命令形→命令するときの形
です。
補足「用言」とは動詞・形容詞・形容動詞のこと!見分け方①
で、四段活用か他の活用かを判別するには、「~ウ」で終わっている動詞に「ズ」を付ければいいだけです。「ズ」を付けたときに「-a」になる動詞は80%くらい四段活用です。
例えば、「書く」なら「書か(a)ズ」なので四段活用ですね。「行く」も「行か(a)ズ」なので四段活用です。

80%くらいということは20%くらいは例外があるのかにゃ?



そうね、これからより確実な四段活用の見分け方を解説するわね!
見分け方②
より正確には動詞の後ろに「ズ」を付けてみて「-a」になったら最初に「ナ行変格活用かな?」と疑います。でもナ変の動詞は「死ぬ」と「住ぬ(去ぬ)」の2つしかないので、ナ変じゃなければ次は、ラ行変格活用を疑います。
ラ変の動詞は「あり・をり・はべり・いまそがり」の4つしかないので、これらに該当しなければ四段活用確定!というわけです。
ちょっと練習してみましょうか。例えば、「咲く」の活用形は何でしょうか?「咲か(a)ズ」なので「-a」で終わっていますね。
まずナ変を疑ってみます。【咲く】は「死ぬ」でも「住ぬ(去ぬ)」でもないので、ナ変ではない。続いて、ラ変を疑う。やはり【咲く】は「あり・をり・はべり・いまそがり」でもない。
よって【咲く】は四段活用の動詞だとわかります。
具体的には、
- 咲かズ(未然形a)
- 咲きタリ(連用形i)
- 咲く。(終止形u)
- 咲くトキ(連体形u)
- 咲けドモ(已然形e)
- 咲け!(命令形e)
のカ行四段活用ですね!
ちなみに、「か/き/く/く/け/け」のように活用したときに変化する部分を活用語尾といいます。一方「咲」の部分は活用しても変化しません。このように活用しても変化しない部分は語幹といいます。
ここでちょっとだけ注意点を!
例えば「行く」はカ行四段活用の動詞ですが、「ズ」を付けたときに「行か(a)ず」とも「行け(e)ず」ともとれますよね。
でも「行け(e)ず」は間違いです。「ズ」を付けたときに「できる/できない」の意味にしてはダメなんです。この点だけ注意して下さいね。
一問一答で四段活用を暗記しよう!(四段活用の覚え方)
「+解答解説」ボタンを押すと「解説」と「答え」を確認することができます。
1.四段活用とは?「a/●/●/●/●/●」である。
2.「移す」の活用形は何か?
四段活用の見分け方と覚え方のまとめ
- 四段活用→-a/-i/-u/-u/-e/-e
- 「ズ」を付けて「-a」になれば80%四段活用
- 「ズ」を付けて「-a」だったら①ナ変「死ぬ」・「住ぬ(去ぬ)」を疑う、②ラ変「あり・ををり・はべり・いまそがり」を疑う、①・②の該当しなければ四段活用!
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