【古文】上一段活用とは?覚え方&見分け方をわかりやすく解説!古典文法入門#5

古典文法超入門講座5-上一段活用の見分け方・覚え方

古典文法入門【第2講】【第3講】【第4講】では、四段上二段下二段の動詞をそれぞれ解説してきました。

「四段・上二段・下二段」の3つの活用だけで、古文の全「動詞」の90%以上をカバーできます。

言い換えれば、「四段・上二段・下二段」は古文を読解する上でよく出会う動詞なので、何度も繰り返してしっかり覚えておきましょう!

この記事では、4つ目の動詞の”活用の種類”として、「上一段活用」をわかりやすく解説していきます!

記事の最後の「一問一答」で覚え方も完璧!

当記事をつかって、上一段活用を「理解・暗記」して頂ければと思います。

目次

上一段活用とは?

上一段活用とは?

ここから、上一段活用の名称の由来と、その活用について解説していきます。

上一段活用の名称の由来

活用を暗記しても、”活用の種類”はごっちゃになってしまうことがあります。

そのため、名称の由来を覚えることは大事です。

上一段という名称は、「a・i・u・e・o」の5段のうち、真ん中の「u」の段から見て”ひとつ上”の「i」の段だけで活用することに由来します。

上一段動詞の活用

上一段活用の骨格部分の活用は、「iiiるiるiれiよ」です。

たとえば上一段動詞の「着る」は、次のように活用します。

基本形語幹未然連用終止連体已然命令
着るきるきるきれきよ
iiiるiるiれiよ
基本形語幹未然連用終止連体已然命令
着るきるきるきれきよ
iiiるiるiれiよ

iiiるiるiれiよ」と活用しているのが分かりますね!

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上一段活用の見分け方&覚え方

上一段活用の動詞はごく少数しかないので、暗記で見分けます。

上一段動詞の覚え方は「ゐる」という語呂合わせを使うのが定番です。

上一段活用動詞の覚え方(ひいきにみゐる)
上一段活用動詞の覚え方

一気に覚えようとするのではなく、「”ひ”で始まる上一段動詞は?」のように、6つに分割して暗記します。

この記事の最後の方に掲載している「一問一答」で暗記すればいいので、今はサラッと表を確認してください。

語呂活用の行上一段動詞
ハ行
ヤ行
カ行着る
ナ行似る煮る
マ行見る
ゐるワ行

ヤ行の「」と、ワ行の「」は”活用の行”にも要注意ですよ!

【例文】
ともに寄りて(御伽おとぎ物語)

【現代語訳】
一緒に寄り添って座って

【解説】
」はワ行上一段活用の動詞で、意味は「座る」です。

」も同じ「座る」という意味のワ行上一段ですよ。

活用は「ゐるゐるゐれゐよ」で、一見すると「」+「」は、”未然形”か”連用形”かの判断に迷うかもしれませんね。

「助詞””の上は連用形になる」というルールがあるので、「」は、ワ行上一段活用連用形と考えます。

ちなみに「寄り」はラ行四段活用連用形です。直後が「居」と動詞(=用言)なので、連用形なのは当然ですね。

この9個以外にも何語か上一段動詞はありますが、まずは頻出の9語を暗記すれば大丈夫です。

ここからは「一問一答」を使って9個の上一段動詞を暗記していきましょう。

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【一問一答11題】上一段動詞の基本語を暗記しよう!

一問一答で重要ポイントを暗記しよう!

一問一答集を何度も繰り返すことで、確実に文法事項を覚えることができます。

※それぞれの問題をタップ(クリック)すると、解答解説が表示されます。

【問題1】「ひ・い・き・に・み・ゐる」のうち、「ひ」で始まる上一段動詞は?

【解答】干る

【問題2】「ひ・い・き・に・み・ゐる」のうち、「い」で始まる”ヤ行”の上一段動詞は?

【解答】射る

【問題3】「ひ・い・き・に・み・ゐる」のうち、「き」で始まる上一段動詞は?

【解答】着る

【問題4】「ひ・い・き・に・み・ゐる」のうち、「に」で始まる上一段動詞は?

【解答】似る煮る

【問題5】「ひ・い・き・に・み・ゐる」のうち、「み」で始まる上一段動詞は?

【解答】見る

【問題6】「ひ・い・き・に・み・ゐる」のうち、「ゐる」と読む、ワ行の上一段動詞は?

【解答】る・

【問題7】ヤ行の上一段動詞を2つ挙げよ。

【解答】

【問題8】ワ行の上一段動詞を2つ挙げよ。

【解答】

【問題9】「干る」を「未然・連用・終止・連体・已然・命令」に活用すると?

【解答】ひるひるひれひよ

【解説】

基本形語幹未然連用終止連体已然命令
干るひるひるひれひよ
iiiるiるiれiよ
基本形語幹未然連用終止連体已然命令
干るひるひるひれひよ
iiiるiるiれiよ
【問題10】「射る」の”活用の種類”は?何行何活用か?

【解答】ヤ行上一段活用

【解説】

基本形語幹未然連用終止連体已然命令
射るいるいるいれいよ
iiiるiるiれiよ
基本形語幹未然連用終止連体已然命令
射るいるいるいれいよ
iiiるiるiれiよ
【問題11】「率る」の”活用の種類”は?何行何活用か?

【解答】ワ行上一段活用

【解説】

基本形語幹未然連用終止連体已然命令
率るゐるゐるゐれゐよ
iiiるiるiれiよ
基本形語幹未然連用終止連体已然命令
率るゐるゐるゐれゐよ
iiiるiるiれiよ
【問題12】次の例文の中から、上一段活用の動詞を、”そのままの形”で取り出すと?

我にひとしき人もあめりと思ふに、その琵琶びわ法師、香箱かうばこのやさしきを取り出し、これよきものか見て給はれとて、我が方へ投げたり。(御伽おとぎ物語)

【解答】(マ行上一段活用・連用形)

【現代語訳】
自分と同じような人もいるようだと思っていると、その琵琶びわ法師は、香箱かうばこで優美なものを取り出して、「これは良いものかどうか見てください」と、私の方へ投げた。

【解説】
「ひきいにゐる」の「」は上一段動詞「見る」でしたね。「見る」の活用は「みるみるみれみよ」です。「見つ」という古語はないので、「見」と「て」は別の品詞です。従って、「見」はマ行上一段活用の動詞ですね。

助詞「」の上は連用形になるので、「見て」の「」は、連用形だと判別します。

また、「やさし(連体形:やさしき)」は形容詞で、この場合「優美だ」という意味の頻出古文単語ですよ。

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まとめ:上一段活用のポイント

  • 上一段活用は、「a・iu・e・o」の「u」から見て”ひとつ上”の「i」だけで活用するので、「上一段」と呼ばれる。
  • 上一段活用の見分け方は「暗記」
  • 上一段活用の覚え方は「ひいきにみゐる
  • ヤ行上一段活用の動詞は「
  • ワ行上一段活用の動詞は「

最後に図解で、上一段動詞の基本語を確認しておきましょう!

上一段活用動詞の覚え方(ひいきにみゐる)
上一段活用動詞の覚え方

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