今回は下一段活用の解説はもちろん、古典文法入門【第2講】~【第5講】の内容を復習しながら確認していきましょう。
5種類の正格活用
- 四段活用:「a・i・u・e」の4つを使う。
- 上二段活用:「i・u」の上2つを使う。
- 下二段活用:「u・e」の下2つを使う。
- 上一段活用:「i」➔「u」から見て、上の1つだけを使う。
- 下一段活用:「e」➔「u」から見て、下の1つだけを使う。
「四段・上二段・下二段・上一段・下一段」の5種類の古文動詞の”活用の種類”を、正格活用と言います。
つまり古典文法入門【第2講】~【第5講】で、古文動詞の「正格活用」を網羅したことになります。
下一段活用は簡単なので、今回は下一段動詞(「蹴る」の一語のみ!)の解説に加え、正格活用の総復習をしたいと思います。
下一段活用とは?
【覚えること】
- 下一段活用の動詞は「蹴る」のみ!
- 下一段活用「蹴る」の活用表「け・け・ける・ける・けれ・けよ」を暗記!
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
蹴る | 〇 | け | け | ける | ける | けれ | けよ |
– | – | e | e | eる | eる | eれ | eよ |
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
蹴る | 〇 | け | け | ける | ける | けれ | けよ |
– | – | e | e | eる | eる | eれ | eよ |
下一段活用のポイントはこれだけです。
ここからは、正格活用の復習と、問題演習に入っていきましょう。
正格活用の復習
まず最初に四段活用・上二段活用・下二段活用の見分け方を復習したのちに、上一段活用・下一段活用の見分け方を確認しましょう。
四段活用・上二段活用・下二段活用の見分け方
- 行く+ず=行か(a)ず➔四段活用
- 起く+ず=起き(i)ず➔上二段活用
- 受く+ず=受け(e)ず➔下二段活用
四段活用の復習
四段動詞は「a・i・u・u・e・e」と活用しましたね。
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
咲く | 咲 | か | き | く | く | け | け |
– | – | a | i | u | u | e | e |
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
咲く | 咲 | か | き | く | く | け | け |
– | – | a | i | u | u | e | e |
(※古文の四段活用については、コチラの記事で詳しく解説しています。)
上二段活用の復習
上二段動詞は「i・i・u・uる・uれ・iよ」と活用します。
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
恋ふ | 恋 | ひ | ひ | ふ | ふる | ふれ | ひよ |
– | – | i | i | u | uる | uれ | iよ |
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
恋ふ | 恋 | ひ | ひ | ふ | ふる | ふれ | ひよ |
– | – | i | i | u | uる | uれ | iよ |
(※上二段活用には暗記すべき動詞などもありますので、詳細はコチラの記事をご覧ください。)
下二段活用の復習
下二段動詞は「e・e・u・uる・uれ・eよ」と活用します。
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
混ず | 混 | ぜ | ぜ | ず | ずる | ずれ | ぜよ |
– | – | e | e | u | uる | uれ | eよ |
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
混ず | 混 | ぜ | ぜ | ず | ずる | ずれ | ぜよ |
– | – | e | e | u | uる | uれ | eよ |
(※下二段活用の動詞にも暗記で見分けるものがありますので、詳細はコチラの記事をご覧ください。)
上一段活用・下一段活用の見分け方
上一段活用と下一段活用は、”暗記で見分ける活用の種類”です。
下一段動詞は「蹴る」の一語だけで、「け・け・ける・ける・けれ・けよ」を丸暗記すれば大丈夫です。
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
蹴る | 〇 | け | け | ける | ける | けれ | けよ |
– | – | e | e | e | eる | eれ | eよ |
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
蹴る | 〇 | け | け | ける | ける | けれ | けよ |
– | – | e | e | e | eる | eれ | eよ |
一方、上一段動詞は「i・i・iる・iる・iれ・iよ」と活用し、暗記すべき基本語が9語あります。
上記の9語以外にも上一段動詞はありますが、まずはこれらの9語を覚えることが基本になります。
上一段活用の動詞の覚えるには、「ひ・い・き・に・み・ゐる」を6つに分割して、1つ1つ暗記すると効果的です。
(※古文の上一段活用については、コチラの記事で詳しく解説しています。)
最後に、下一段活用を暗記するための「一問一答」をご用意しました。試験対策にぜひご活用ください。
下一段活用に関する一問一答!
一問一答集を何度も繰り返すことで、確実に文法事項を覚えることができます。
※それぞれの問題をタップ(クリック)すると、解答解説が表示されます。
【問題1】下一段活用の動詞は何か?
【解答】蹴る
【解説】
下一段活用の動詞は「蹴る」の一語のみです。
【問題2】下一段動詞「蹴る」を「未然・連用・終止・連体・已然・命令」に活用すると?
【解答】け・け・ける・ける・けれ・けよ
【解説】
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
蹴る | 〇 | け | け | ける | ける | けれ | けよ |
– | – | e | e | e | eる | eれ | eよ |
基本形 | 語幹 | 未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
蹴る | 〇 | け | け | ける | ける | けれ | けよ |
– | – | e | e | e | eる | eれ | eよ |
まとめ:下一段活用のポイント!
- 下一段活用は蹴るの一語のみ!
- 「蹴る」の活用は「け・け・ける・ける・けれ・けよ」
これで5種類の正格活用の解説は終わりです。
次回からは、4種類の変格活用の解説に入っていきたいと思います。
古文は9種類の動詞の見分け方を習得することが基礎になってくるので、残り4種類、一緒にがんばっていきましょう!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
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