とりわけ受験生は受動態を軽視しがちですが、英文には能動態と受動態の2種類しかないので、受動態はとても大切な文法項目です。
また受動態の知識は、苦手な人の多い分詞の理解にも役立ちますので、この問題集を利用して確実に理解しておきたいところですね。
目次
受動態の問題13題
では、さっそく受動態の練習問題を解いていきましょう。
なお「+解答解説ボタン」をタップすると詳しい解答解説を確認することができます。
【問題1】次の英文を受動態に書き換えると?
He wrote a book.
(彼は本を書いた)
解答解説1
正解はA book was written by him.です。全訳は「その本は彼によって書かれた」です。
一見、簡単すぎる問題に見えますよね?しかし受動態の基本をちゃんと理解していますか?
受動態は「目的語を主語の位置に移動した構文」です。そのため、一部例外はありますが原則的に受動態にできるのは目的語をとる他動詞ということになります。
自動詞は目的語をとれないので、基本的に受動態にすることはできません。しかし、「自動詞+前置詞」は例外的に受動態にすることができます。
例えば”A stranger spoke to Jane.(見知らぬ人がジェーンに話しかけた)”という英文の場合、speak自体は自動詞ですが、speak to(~に話しかける)は、「自動詞+前置詞」で1つの他動詞とみなすことができます(これは句動詞という)。
そのためこの英文を受動態に書き換えると、”Jane was spoken to by a stranger.(ジェーンは見知らぬ人に話しかけられた)”となります。受動態にしても前置詞のtoは省略できませんよ!
【問題2】He( )while he was playing rugby.[関西学院大]
①injured ②has injured ③may be injured ④was injured
解答解説2
正解は④was injuredです。全文は”He was injured while he was playing rugby.(彼はラグビーをしていて怪我をした)”です。
一見するとHe injuredで「彼は怪我をした」も成り立ちそうですよね?
ここで重要になってくるのが受動態になれるのは「他動詞」or「自動詞+前置詞」という知識です。
本問の場合、例えば①を選んでHe injuredとすると、他動詞のinjuredに目的語が見当たりません。他動詞は必ず目的語を伴うので、おかしいですね。
そのため「目的語が主語の位置に移動した受動態ではないか?」と考えます。従って、受動態の形の③か④が正解の候補ですが、while節の動詞がwas playingと過去形になっているので、同じく過去形の④was injuredが正解です。
【問題3】On her way home from school, the little girl was( )a stranger.[九州産業大]
①spoken ②spoken to by ③spoken to ④spoke
解答解説3
正解は②spoken to byです。全文は”On her way home from school, the little girl was spoken to by a stranger.(学校から自宅に帰る途中、その小さな女の子は見知らぬ人に話しかけられた)”です。
speak自体は自動詞ですが、speak toは「自動詞+前置詞」で全体として1つの他動詞の役割を果たします。つまりA stranger spoke to the little girl.の目的語(the little girl)が主語の位置に移動した形です。
このように動詞とセットになる前置詞は受動態になっても省略されないことに注意してくださいね。例えば、take care ofを受動態にすると”be taken care of by(~に面倒を見てもらう)”になります。
【問題4】A railway bridge is( )over the river.[慶応義塾大]
①being built ②having built ③being building ④building
解答解説4
正解は①being builtです。全文は”A railway bridge is being built over the river.(川の上に鉄道橋を架ける工事が行われているところである)”です。
主語のA railway bridgeとbuild(~を建設する)は、「鉄道橋が建設される」という受身関係があるため受動態だと考えます。そして、進行形の受動態になるように(is) being builtを選ぶと正解になります。
能動態の文章は、They are building a railway bridge over the river.「(人々は)川の上に鉄道橋を建設中だ」となります。この文の主語のTheyは一般の人々を表しており、そういった主語を持つ文章を受動態にする場合にはby~は省略されます。
【問題5】The answer must( )on one side of the paper only.[関西学院大]
①write ②be writing ③be written ④have written
解答解説5
正解は③be writtenです。全文は”The answer must be written on one side of the paper only.(解答は用紙の片面にだけ書かないといけません)”です。
writeは「~を書く」という他動詞です。他動詞には当然目的語が伴いますが、どの選択肢を見ても目的語が見当たりません。他動詞にもかかわらず目的語がない場合は、受動態を疑うことが原則です。「何を書くのか?」と考えてみると解答(The answer)を書くわけですから、writeの目的語が主語の位置に移動した受動態の構文だと分かりますね。
【問題6】次の英文を受動態に書き換えると?
We are going to publish her new book next month.
(彼女の新しい本を来月出版する予定だ)
解答解説6
正解はHer new book is going to be published next month by us.です。be going toを1つの助動詞のカタマリだと考えると分かりやすいですね。すなわちbe going toは3語のセットで1つの助動詞、publishは他動詞と考え、他動詞の目的語であるher new bookを主語の位置に移動します。
【問題7】Luxury houses with ocean views are currently( )in southern India.[立命館大]
①being built ②building ③builds ④having built
解答解説7
正解は①being builtです。全文は”Luxury houses with ocean views are currently being built in southern India.(海を眺めることのできる高級住宅が、現在南インドで建設中だ)”です。
進行形の受動態はbe動詞+being+過去分詞で表します。その基本的な意味は「~されているところだ」です。
【問題8】日本語に合うように( )に適語を入れると?
( )is this tool( )for?
この道具は何のために使われるのですか?
解答解説8
正解はWhat is this tool used for?です。「疑問文の受動態」の語順を問う問題ですね。
This tool is used for ★.の★の部分を聞きたいので、★がWhatになって文頭に出た上で、be動詞のisが主語の前に出た形です。
【問題9】On the last day of the festival this year, a violin concert( )held at this hall.[獨協大]
①has been ②is to be ③was to have ④had to
解答解説9
正解は
②is to beです。全文は”On the last day of the festival this year, a violin concert is to be held at this hall.(今年のお祭りの最終日には、このホールでバイオリンのコンサートが開催される予定だ)”です。
不定詞を受動態にする場合、
to+be+過去分詞の形になります。また
be to doには予定・義務・運命など様々な意味がありますが、本問の場合、「
~する予定である」を表しています。つまり、「
is to=will」です。
このようなbe to構文については、コチラの記事で詳しく解説しています。
【問題10】Jane sent him a gift.(ジェーンは彼にプレゼントを送った)という英文は2つの目的語をともなう。第1目的語(O1)がhimで、第2目的語(O2)がa giftである。このとき、O2であるa giftを主語の位置に移動し受動態を作ると、どんな英文になるか?
解答解説10
正解はA gift was sent to him by Jane.です。第4文型(S+V+O1+O2)をO2を主語にして受動態に書き換えるには、最初に、①Jane sent him a gift.を②Jane sent a gift to him.の形にしてから受動態をつくるようにすると分かりやすくなります。あとは②の目的語のa giftを主語の位置に移動すれば、③A gift was sent to him by Jane.の形になりますね。
【問題11】I was made( )for more than two hours.[近畿大]
①to wait ②wait ③waited ④waiting
解答解説11
正解は①to waitです。全文は”I was made to wait for more than two hours.(私は2時間以上も待たされた)”です。be made toで「~させられる」という意味の定形表現として覚えてしまうのも一手ですが、「第5文型(S+V+O+C)で、補語(C)が動詞の原形の構文を受動態にすると動詞の原形をto 不定詞にする必要がある」というルールを覚えて対処する方法もあります。例えば、Someone made me wait.(誰かが私を待たせた)を受動態に書き換えると、I was made to wait by someone.になります。
【問題12】His name is known( )everyone in our town.[流通経済大]
①for ②to ③with ④in
解答解説12
正解は
②toです。全文は”His name is known to everyone in our town.(彼の名前は私たちの町のみんなに知られている)”です。
受動態の動作主は通常byで表しますが、今回の
be known toで「~に知られている」のように、
by以外の前置詞が用いられる場合も少なくありません。このような表現は、過去分詞の多くが形容詞化して受け身の意味が弱まっているため、
受動態というよりは慣用表現として覚えましょう。
be known to/for/asの意味・違い・使い分けについては、コチラの記事で詳しく解説しています。
【問題13】Judging by tha smell, this can seems to be filled( )petrol.[昭和大]
①with ②by ③from ④of ⑤in
解答解説13
正解は①withです。全文は”Judging by tha smell, this can seems to be filled with petrol.(においから判断すると、この缶はガソリンで満たされているようだ)”です。
この問題も、by以外の前置詞を用いている動詞の問題です。be filled withで「~で満たされている」という意味になります。こちらも試験に問われやすいため、慣用表現として覚えておきましょう。
なお、文頭のjudgging byは(~から判断すると)という意味になります。
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