【古文】上二段活用の見分け方&覚え方![古典文法超入門講座#3]

古典文法超入門講座4-下二段活用の見分け方・覚え方

前回の四段活用の見分け方に続き、今回は上二段活用の見分け方や覚え方を解説していきます。

この記事を活用して、上二段活用を「理解・暗記」して頂ければ幸いです!

目次

上二段活用とは?

ここから、上二段活用の名称の由来とその活用形について解説します。

上二段活用の名称の由来

上二段活用は「a・iu・e・o」の5段のうち、真ん中の「u」の段から見て、その1つ上の「i」の段と合わせて2段(iu)で活用することから付けられた名称です。

古文動詞の活用を暗記する上で、名称の由来を覚えておくことは意外に大切なんです。

名称の由来を理解しておくと、暗記がはかどるからですね。

上二段活用は「iu」で活用するから「上二段」、と覚えておくことで、他の「活用の種類」と混同せずにすみます。

上二段活用

上二段活用は、「iu」の上二段を使って、「iiuuるuれiよ」と活用します。

たとえば上二段動詞の「起く」を活用すると次のようになります。

基本形語幹未然連用終止連体已然命令
起くくるくれきよ
iiuuるuれiよ
基本形語幹未然連用終止連体已然命令
起くくるくれきよ
iiuuるuれiよ

「iとu」の2段だけで活用しているのがわかりますね。

ただし、上二段活用の動詞は終止形(言い切り)が、現代語のように「起きる」ではなく「起く」となるので、慣れておく必要があります。

  • 現代語「起きる」
  • 古語「起く

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上二段活用の見分け方

上二段活用の2つの見分け方

さて、ここからは上二段活用の2種類の見分け方を確認していきましょう!

上二段活用の見分け方は語尾に「ず」を付ける方法と、暗記すべき動詞の2種類に分けることができます。

「ず」で判別する方法

ほとんどの上二段動詞は、語尾に「」を付けることで見分けることができます。

語尾に「」を付けて「i」の音になるのが、上二段活用の動詞です。

ちなみに、語尾に「」を付けて「a」の音になるのが、四段活用でしたね。

一方、語尾に「」を付けて「e」の音になるのが、下二段活用です。

  • 行く+ず=行か(a)ず➔四段活用
  • 起く+ず=起き(i)ず➔上二段活用
  • 受く+ず=受け(e)ず➔下二段活用

つまり上二段活用の見分け方は次のようになります。

  • 「ず」を付けてみて「a」の音になれば四段活用
  • 「ず」を付けてみて「i」の音になれば上二段活用
  • 「ず」を付けてみて「e」の音になれば下二段活用

ただし、打ち消しの助動詞「ず」を付けるときは「~できる」の意味ではなく、~しないの意味で考えます。たとえば”書く”なら「書けず」ではなく書か(a)ずなので、四段活用の動詞です。

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暗記で見分ける上二段活用の動詞

「ず」を付けるだけでは判別が難しい上二段動詞は、めんどうでも暗記して見分ける必要があります。

上二段活用になる「ず」で判別できない動詞は、2つのグループに分けることができます。

  • ヤ行の上二段動詞:「老ゆ悔ゆ報ゆ
  • その他の上二段動詞:「恋ふ忍ぶ恨む
暗記して見分ける上二段活用の動詞(老ゆ、悔ゆ、報ゆ、恋ふ、忍ぶ、恨む)

実際に活用を確認しておきましょう。

基本形語幹未然連用終止連体已然命令
老ゆゆるゆれいよ
恋ふふるふれひよ
忍ぶぶるぶれびよ
恨むむるむれみよ
基本形語幹未然連用終止連体已然命令
老ゆゆるゆれいよ
恋ふふるふれひよ
忍ぶぶるぶれびよ
恨むむるむれみよ

iiuuるuれiよ」の形を覚えておけば、活用は簡単ですね。

古典文法は動詞の暗記が基礎となるため、ここからの一問一答で重要な文法事項を暗記していきましょう!

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一問一答!上二段活用の文法事項を暗記しよう!

一問一答で重要ポイントを暗記しよう!

※「+解答解説」ボタンを押すと、答えが表示されます。

【問題1】上二段活用の動詞は、アルファベットとひらがなで「i・( )・( )・( )・( )・( )」と変化する。

解答解説1
【解答】iiuuるuれiよ

【問題2】動詞「過ぐ」の”活用の種類”は次のうちどれか?

①四段活用 ②下一段活用 ③上二段活用 ④下二段活用

解答解説2
【解答】③上二段活用
【解説】
過ぐ」に「」を付けると、「過ぎ(i)ず」と「i」の音になるので、上二段活用だとわかります。正確は「ガ行上二段活用」です。

【問題3】暗記すべき上二段動詞のうち、ヤ行のものを3つ挙げよ。

解答解説3
【解答】老ゆ悔ゆ報ゆ

【問題4】暗記すべき上二段動詞のうち、”ヤ行以外”のものを3つ挙げよ。

解答解説4
【解答】恋ふ忍ぶ恨む

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まとめ:上二段活用のポイント

  • 上二段活用という名称は「a・iu・e・o」の「u」を起点に、「iu」の上2段で活用することに由来する。
  • 上二段活用は「iiuuるuれiよ
  • 動詞の後に「」を付けて「i」の音になったら上二段活用
  • 暗記すべきヤ行の上二段動詞:「老ゆ悔ゆ報ゆ
  • 暗記すべきその他の上二段動詞:「恋ふ忍ぶ恨む

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

今後とも古典文法超入門講座をよろしくお願い致します!

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