3分で分かる!更新世と完新世の違い・順番・覚え方【日本史】

更新世と完新世の違い

この記事では、更新世と完新世の違いについて、徹底的に分かりやすく解説しました。

また記事の最後には、一問一答形式の問題を設置しているので、腕試しにぜひご活用ください。

目次

更新世と完新世の違いとは?

鮮新世せんしんせいの次の地質学上の時代区分を更新世といいます。更新世の別名は氷河時代/旧石器時代です。
更新世は今から約1万年前まで続きました。
そして更新世の次の地質学上の時代区分を完新世といいます。完新世の別名は新石器時代/縄文時代です。
更新世がとても寒い時期だったのに対して、その次の完新世温暖な時代です。

更新世と氷河時代

更新世(旧石器時代は非常に寒い時期だったので、氷河時代とも呼ばれます。とても寒い氷期とそうでない間氷期が交互に訪れた時代でした。

「とても寒かった」って、どのぐらい寒かったの?

どのくらい寒かったかというと、海の水が氷るほど寒かったのです。

海が氷って氷河ができると、海面が下がります。すると陸地が増えますよね。

その結果、更新世(旧石器時代)には、日本列島がアジアと陸続きになっていました。

更新世の動物

更新世にはまだ今の日本列島が形成されておらずアジア大陸と陸続きだったので、陸橋を渡ってからはマンモスが、からはナウマン象が渡来しました。

この「マンモスナウマン象」というのは大学入試でよく問われるポイントですね。南方(んぽう)だから南からウマン象と覚えます。

更新世の人類

なぜ更新世が日本史の対象になるかというと、この時代にはすでに日本列島に人類がいたからです。

ではなぜ更新世の日本列島に人類がいたことが分かるのか?

考古学青年であった相沢忠洋あいざわただひろが戦後間もない1946年に、群馬県岩宿遺跡関東ローム層という地層から、打製石器を発掘することに成功したからです。

打製石器が更新世の地層(関東ローム層)から出てきたということは、それを使っている人類も更新世にはいたことになりますよね

ちなみに、打製石器を主に用いていた時代のことを旧石器時代といいます。だから

更新世(氷河時代)=旧石器時代

なんです。

化石人骨から分かる更新世の人類

化石人骨を調べてみると、更新世に暮らした人類が次々と見つかります。有名なのは、

  • 兵庫県明石人あかしじん
  • 静岡県浜北人はまきたじん
  • 沖縄県港川人みなとがわじん
  • 沖縄県山下町洞人やましたちょうどうじん

の4種類の化石人骨です。これらはいずれも新人段階の人類の化石で更新世(旧石器時代)に生きた人々です。

(※化石人骨については、コチラの記事でさらに詳しく解説しています。)

完新世とは

更新世が終わり続く完新世になると氷河時代も終わるので地球は温暖になりました。

氷河が解けて海面が上昇し今の日本列島が形成されます。ちなみに私たちが今生活している「現代」も完新世です。

完新世になるとマンモスやナウマン象といった大型動物は絶滅し、イノシシやシカなどの中小の動物が狩りの対象になります

更新世の時代には大型動物を追って移住生活をしていた人類も、完新世になると温暖な気候のため食料が豊富になるので、たえず移動する必要がなくなり定住生活へと移行します。

その結果、竪穴住居に住むようになりました。これが完新世の始まりであり、縄文時代(新石器時代)の始まりでもあるのですね。

更新世と完新世のまとめ

  • 鮮新世→更新世→完新世
  • 更新世(氷河時代)=旧石器時代
  • 完新世(温暖)=新石器時代=縄文時代

更新世と完新世に関する一問一答!

一問一答で重要ポイントを暗記しよう!

大学受験日本史の過去問を中心に一問一答形式の練習問題を用意しました。歴史能力検定にも役立つ内容です。ぜひ参考にしてみてください。

なお、「+解答解説」ボタンを押すと解説と答えを確認することができます。

1.258万年前に始まった(  )世は地球全体で気候寒冷化がおこり、氷期・間氷期の交代が繰り返された。

解答解説1
早稲田大学の過去問です。正解は更新です。
更新世の別名は氷河時代旧石器時代でしたね。
更新世は海が氷ってしまうほど寒かった時代です。だから「更新世=氷河時代」なんですね。
問題文でも「気候寒冷化がおこり」と、小難しい言い回しで寒かったことが明記されています。
また氷期間氷期が交互に訪れたのも、「更新世=氷河時代」の大きな特徴ですね。

2.更新世は極めて寒冷だったので、その影響で海面が下がり、日本列島とアジアはまだ陸続きであった。そのため陸橋を渡って南方から(  )象がやってきた。

解答解説2
正解はナウマンです。
ンポウから来たのでウマン象と覚えましょう。からはマンモスが日本列島にやってきます。

3.更新世は氷河時代とも呼ばれ、寒冷な氷期と、比較的温暖な(  )期とが交互に訪れた。

解答解説3
青山学院大の過去問(改題)です。
更新世=氷河時代」には非常に寒い氷期と比較的暖かい間氷期が交互に訪れました。よって正解は間氷です。

4.日本列島の気候が温暖になったのは地質年代でいうと(  )世である。

解答解説4
青山学院大学の過去問です。
更新世=氷河時代」が終わると地球は温暖になり、海面の水位も上昇して「現在の日本列島」が形成されます。
この更新世の次の温暖な時代を地質学では完新世といいます。従って完新が正解です。
なお、完新世になって温暖化した影響で海面が上昇することを海進といいます。
海進はごく稀に大学入試に出題される日本史用語です。
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