結論から言うと、日本国憲法の前文にも法規範性は認められます。
目次
法規範性ってそもそもなんだ?
では法規範性とは、そもそもなんでしょうか?
簡単に言うと、「前文も憲法の本文(各条文)と同様に国家権力を法的に拘束するとみなしていいのか?」が法規範性です。
ちなみに、前文も憲法の一部であり、法規範性が認められるということは、憲法前文の改正にも憲法改正の手続き(96条)が必要ということを意味しています。
前文に裁判規範性は認められるのか?
法規範性と似た概念に、裁判規範性があります。
裁判規範性とは「~は違憲だ!」と主張する根拠になるかどうかのことです。
これには否定説と肯定説がありますが、通説は否定説なので、一般に憲法前文に裁判規範性は認められていません。
前文に裁判規範性が認められないのは、以下の2つの理由があります。
- 前文には抽象的な原理・原則が書いてあるだけなので具体性に欠ける。具体性がないものを裁判では使えない。
- 前文の内容は本文に具体的に書いてあるので、わざわざ前文を使って裁判をする必要性がない。
まとめ
法規範性があるからといって裁判規範性があるとは限らない!
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