平方完成を利用した因数分解の解法【分かりやすい解説動画付き】

数学の問題高校数学

因数分解の問題が出題された際に、通常の因数分解の手法である①共通因数でのくくり出し、②公式の利用、③たすきがけ、などを用いる事ができない場合があります。

そういった時に、無理やり平方完成の形を作る事で答えが見えてくる、少し特殊な因数分解の問題について解説します。

このタイプの問題は、事前に学習しておかなければ解く事が難しいと思います。

この平方完成を利用した因数分解について、動画でも解説していますので合わせて参考にしてみてください。

平方完成とは

まず最初に平方完成とは何かを確認したいと思います。

「平方」とは2乗の事なので、「平方完成」とは二次式を変形して2乗を作る事です。より具体的には、次の公式を使う事で、カッコの2乗の形に変形します。

$$a^2+2ab+b^2=(a+b)^2・・・(1)$$

この公式を使って2乗を作る式変形が平方完成です。

ただし、因数分解と平方完成を組み合わせた問題では、上式のような完全な形で式が与えられておらず、\(2ab\)の項や、\(b^2\)の項が無い場合があります。

例えば次の式のような場合です。

$$x^2+4x$$

この場合には、次のように考えれば、平方完成できるようになります。

\begin{eqnarray}
x^2+4x&=&x^2+4x+2^2-2^2\\
&=&(x+2)^2-4
\end{eqnarray}

ここで\(+2^2\)や\(-2^2\)は、元々は無かったものを無理やり作り出しています。なぜこのような事をするかと言えば、(1)の公式を使うためですね。

こうする事で、結果としてカッコの2乗の形を作る事ができ、\(x\)の一次の項を見かけ上無くすことができています。これが平方完成となります。

平方完成に慣れてくれば、\(+2^2\)や\(-2^2\)といった項を書かずに一気に式変形できるかもしれませんが、慣れないうちは「足してから引く」と考える方が分かりやすいです。

もう一題、平方完成の練習をしておきましょう。

【例題1】次の式を平方完成せよ。

$$x^2-6x$$

例題1の解答
\begin{eqnarray} x^2-6x&=&x^2-6x+3^2-3^2\\ &=&(x-3)^2-9 \end{eqnarray}

平方完成を利用した因数分解

では次に、「平方完成を利用した因数分解」とはどういうことでしょうか?

因数分解の問題が出題された場合、まず最初に考えるのは①共通因数でのくくり出し(例:\(2x^2+6y=2(x^2+3y)\))でした。

この①が適用できない場合、②公式の利用(例:\(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\))、③たすきがけなどを考えていきますが、これらがいずれも適用できない問題があります。

その具体例を見ていきましょう。

$$x^4+64$$

この式には、上記の①~③のいずれの手法も用いる事ができませんよね。そこで考えるのが、無理やり平方完成をする、という事です。

具体的には、\(x^4\)を\((x^2)^2\)とみなし、\(64\)を\(8^2\)とみなすことで、残り\(2×8x^2\)の項があれば、平方完成が可能になる事に着目します。そこで、\(2×8x^2\)の項を無理やり作り出し、平方完成を行います。式としては、

\begin{eqnarray}
x^4+64&=&(x^2)^2+8^2\\
&=&(x^2)^2+2×8x^2+8^2-2×8x^2\\
&=&(x^2+8)^2-16x^2
\end{eqnarray}

のように変形します。(※スマホ画面で数式が途切れている場合は、横スクロールできます)

ここで、\((x^2+8)-16x^2\)が(2乗)ー(2乗)の形になっている事に気づく事が大切です。(2乗)ー(2乗)になっている場合には、\(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\)の公式を用いる事ができるため、さらに因数分解する事ができます。

今回の問題の場合では、

\begin{eqnarray}
(x^2+8)^2-16x^2&=&\{(x^2+8)+4x\}\{(x^2+8)-4x\}\\
&=&(x^2+4x+8)(x^2-4x+8)
\end{eqnarray}

となり、因数分解を完了する事ができます。

このような問題は、因数分解の問題の中でも特殊な例であるため、事前によく学習しておかなければ解く事が難しいのではないかと思います。

ですので、ここでしっかりと練習し、試験で出題されても大丈夫なようにしておきましょう。

平方完成を利用した因数分解の練習問題

【問題1】次の式を因数分解せよ。

$$a^4+b^4+a^2b^2$$

問題1の解答
\begin{eqnarray} a^4+b^4+a^2b^2&=&(a^2)^2+(b^2)^2+a^2b^2\\ &=&(a^2)^2+2a^2b^2+(b^2)^2-2a^2b^2+a^2b^2\\ &=&(a^2+b^2)^2-a^2b^2\\ &=&\{(a^2+b^2)+a^2b^2\}\{(a^2+b^2)-a^2b^2\}\\ &=&(a^2+a^2b^2+b^2)(a^2-a^2b^2+b^2)\\ \end{eqnarray}(※スマホ画面で解答の数式が途切れている場合は、横スクロールできます)

【問題2】次の式を因数分解せよ。

$$x^4+x^2+1$$

問題2の解答
\begin{eqnarray} x^4+x^2+1&=&x^4+2x^2+1-x^2\\ &=&(x^2+1)^2-x^2\\ &=&\{(x^2+1)+x\}\{(x^2+1)-x\}\\ &=&(x^2+x+1)(x^2-x+1)\\ \end{eqnarray}(※スマホ画面で解答の数式が途切れている場合は、横スクロールできます)

【問題3】次の式を因数分解せよ。

$$x^2-y^2+10x+2y+24$$

問題3の解答
\begin{eqnarray} x^2-y^2+10x+2y+24&=&x^2+10x-(y^2-2y)+24\\ &=&\{(x^2+10x+25)-25\}-\{(y^2-2y+1)-1\}+24\\ &=&(x+5)^2-25-(y-1)^2+1+24\\ &=&(x+5)^2-(y-1)^2\\ &=&\{(x+5)+(y-1)\}\{(x+5)-(y-1)\}\\ &=&(x+y+4)(x-y+6)\\ \end{eqnarray}(※スマホ画面で解答の数式が途切れている場合は、横スクロールできます)
1行目は、xとyでそれぞれ降べきの順に整理します。 2行目では、xとyについてそれぞれ平方完成をしています。 そして4行目では、2乗の差になっている事に着目し、因数分解しています。

この問題3は、特に難しかったのではないかと思います。内容の詳細な解説は、記事冒頭の動画で行っていますので、なかなか理解できないという方は参考にしてみてください。

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