この記事では大学受験日本史で出題されやすいポイントに絞って、打製石器と磨製石器の違いをわかりやすく解説しています。歴史検定にも役立つ知識です。ぜひ参考にしてください。
また、記事の最後に一問一答形式の問題を設置しました。腕試しにご活用ください。
打製石器と磨製石器の違い
打製石器も磨製石器も主な材料は黒曜石や讃岐岩です。
打製石器と磨製石器の違いは3つに分類することができます。
- 製法の違い
- 時代の違い
- 種類の違い
製法の違い
打製石器は単に石を打ち砕いた石器です。これに対して磨製石器は石をキレイに磨いて作る石器です。
時代の違い
続いて時代の違いです。打製石器が使用されたのは旧石器時代と縄文時代です。
これに対して磨製石器は旧石器時代には存在せず、縄文時代になってはじめて使われるようになります。
つまり旧石器時代には打製石器だけが使われ、その次の縄文時代になると打製石器と磨製石器が併用されるのです。
弓矢は打製石器
打製石器と磨製石器の違いでよく勘違いされるのが石鏃です。弓矢の先端の▲の部分を石鏃といいます。
縄文時代になると打製石器がさらに発達した磨製石器が登場しました。そして縄文時代になると中小のすばしっこい動物を捕まえるために弓矢が発明されました。
こう聞くと弓矢とその先端部分の石鏃はいかにも磨製石器でできているような気がしますが、石鏃は打製石器なのです。
なお石鏃の材料は黒曜石です。
(※黒曜石・ひすい・サヌカイトの産地と縄文時代の交易については、コチラの記事で詳しく解説しています。)
種類の違い
打製石器の種類
打製石器には主に握槌/ナイフ形石器/尖頭器/石鏃 /石鍬があります。また、尖頭器を棒の先につけたものを石槍といいます。
磨製石器の種類
磨製石器の代表格は石皿とすり石です。これらは調理に使われました。料理道具ですね。石斧も磨製です。これは樹木の伐採なんかで使われました。木を切る道具ですね。
そして農耕がはじまると稲作の道具として石包丁で穂首刈りが行われるようになります。この石包丁も磨製石器です。大学受験の日本史では弥生時代の単元で必ず習う重要項目ですね。
「磨製の石包丁で穂首刈り」というのは試験によく出題されます。
道具関係を覚えるコツ
旧石器時代から縄文時代にかけてよくわからない道具がたくさん出てきますよね。
これらを効率的に暗記するには、画像検索や資料集で写真を確認するのが一番です。イメージがわくと暗記効率がグッと上がるのでぜひ試してみてくださいね。
例えば次のリンク先で、握槌、石鍬、石皿、すり石、石包丁などの画像を確認してみましょう。
打製石器と磨製石器に関する練習問題
「+解答解説」ボタンを押すと「解説」と「答え」を確認することができます。
1.旧石器文化では、( )石器が用いられた。
2.正誤問題次の文章は正しい?間違い?
旧石器時代には打製石器が主に用いられ、新石器時代になると打製石器は使われなくなり、代わって磨製石器が使われるようになった。
3.縄文文化の特徴としてあげられるのは狩猟道具の( )で、中小動物を射止めるために新たに発達した。
4.縄文時代になると狩猟用の石器として( )が出現し、狩猟具の中心となった。
5.旧石器時代、狩猟の道具としてはナイフ形石器や槍先形( )器などが使用されていた。
打製石器と磨製石器のまとめ
石器 | 製法 | 使われた時代 | 種類 |
---|---|---|---|
打製石器 | 石を砕く | 旧石器時代➡縄文時代 | 握槌、ナイフ形石器、尖頭器、石鏃、石鍬 |
磨製石器 | 石を磨く | 縄文時代 | 石皿、すり石、石包丁 |
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