「子どもに勉強習慣をつけさせたい」と考える保護者は多いでしょう。
勉強習慣を身につければ、学力・成績は飛躍的に向上します。
そして、将来社会に出てからも、子どもの生きる力を一生支え続けます。
しかし、学年が上がるほど勉強の習慣化は難しくなるのも事実です。入試目前になって後悔しないよう、できる限り早く身につける必要があります。
そこでこの記事では、お子様が勉強習慣を確実に身につける方法を解説します。今すぐ実践できる5つのポイントを紹介しますので、ぜひ今日から取り入れてみてください。
この記事は、すべて科学的根拠に基づいて「勉強習慣のつけ方」を解説しています。20本以上の学術論文や専門書のエッセンスを、誰でも簡単に理解できるようまとめました。
中学生に勉強習慣をつける5つのポイント
心理学・教育心理学によれば、勉強習慣をつける手順は、次のとおりです。
これら5つの手順はすべて、「周囲のサポート」であることが、最大のポイントです!
・家庭内でのサポート:「親子間のコミュニケーションを改善」「保護者による声かけ」
・プロによるサポート:「学校」「塾」
筆者は中1~中2まで英語が苦手でした。
約30人のクラスで、下から5番目くらいの成績だったように記憶しています。
うそのように英語が得意になったのは、中3の春ごろ。
塾の先生の手厚いサポートをきっかけに、高校入学後は誰に言われるでもなく、自発的に英語学習を継続した結果、中3~高3まで偏差値70前後をキープできました。
「中2の夏から通いはじめた塾」の親身なサポートが成功体験につながり、やがて自発的に学び続ける学生になったのです。
以上を踏まえたうえで、まずは費用のかからない「家庭内のサポート方法」を確認していきましょう。
1.親子で双方向のコミュニケーションを心がける
繰り返しになりますが、「外発的動機づけと内発的動機づけの間」という論文によれば、勉強習慣づくりで一番大切なのは、周囲のサポート。
名古屋大学の速水教授は、「周囲の適切なサポートの結果、成功体験が重ねられ、自発的に学ぶスキル(勉強習慣)が生じる」と、繰り返し主張しています。
- 周囲の適切なサポートでやる気を引き出し、成功体験を積ませる
- 成功体験から「自分は勉強が得意だ」という認識を育むことで、自発的に学ぶようになる
そこでまずは、親と子供の関わり方の観点から、サポートのコツを探っていきましょう。
親子のコミュニケーションをより良いものにする
上司と部下のコミュニケーションがうまくいくほど、部下は意欲的に仕事に励むもの。
同様に、親子間のコミュニケーションを見直すことは、子供が意欲的に勉強に励む土台を強化します。
下の表は、コミュニケーションのコツを要約したものです。
コミュニケーションの種類 | 要点 |
---|---|
親子関係 | ・二人三脚で話し合う ・子供の意見を真剣に聴く |
やる気を引き出す声かけ | ・励まし ・共感 ・褒める ・目標を示す ・肯定的な評価を伝える |
やる気を失わせる声かけ | ・否定的な評価を伝える ・勉強しないことのデメリットを示す ・指示や命令形の言葉 |
二人三脚で勉強習慣を育む親子の関わり方
親子二人三脚で勉強習慣を育むには、「子供にも意見を言ってもらう」ことが基本となります。
そのうえで、子供の意見を充分に尊重することがポイント。
子供の意見を尊重するのに、不可欠な要素は「傾聴」「質問」「承認」の3つです。
- 傾聴:一生懸命に話を聞く
- 質問:子供の気づきを促すような質問をする
- 承認:子供の意見の良い点に着目して褒める
この3つの中で、とくに大事なのが「傾聴」です。
傾聴は、看護師やカウンセラーはもちろん弁護士や税理士など「相談業」に携わる人の必修科目。
もちろん、子供のサポートにもおおいに役立ちます。
傾聴は「子供の身になって寄り添い、勉強の悩みや日常生活の話に耳を傾けること」を指します。
中学生の勉強習慣を育むのに「傾聴が役立つ」理由
悩み・意見を親身に聞くこと(傾聴)は、サポートの基本です。
「看護における 『傾聴』の概念分析」によれば、傾聴が勉強習慣づくりに役立つ理由は2つ。
- 親子間の信頼関係を育む:より良い信頼関係は、それだけで「子供が前向きな行動に至る」きっかけになる。
- 理解と解決:子供への理解が深まることで、必要なケア・サポートの提供が可能となる。
傾聴は「ケア・サポートの土台」であり、親子の関わり方を改善するうえで、一番大事な取り組みといえます。
傾聴で育まれる信頼関係は、「関わり方」「声かけ」の基礎です。信頼関係に問題があると、いくら上手にサポートしても効果は薄くなってしまいます。
中学生の勉強習慣づくりに役立つ「傾聴術」を習得しよう
傾聴のスキルは難しいものではありません。
- 集中:一生懸命に話を聞く
- 相づち:「うんうん」「そうなんだ」「なるほど」としっかりと相づちを打つ
- 話す2割:話す2割、聞く8割のバランスを意識する
- 共感:いたずらに否定するのではなく、「うん!?」と思っても共感的・肯定的に聴く
- 価値判断をしない:良い悪いを判断せず純粋に耳を傾ける
傾聴のコツを本格的に身につけたい親御さんには、下記の本がおすすめです。
筆者も傾聴術を学ぶための最初の一冊として活用しました。
知識ゼロの状態でも、面白いほど傾聴術がわかります。
『プロカウンセラーが教えるはじめての傾聴術』で理解した知識を日常生活で実践していけば、1か月程度で必要十分なスキルを獲得できます。
なにもカウンセラーを目指すわけではないので、基本的なテクニックだけ押さえれば十分。
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1,000円未満の費用、1か月程度の気軽な実践で、子供に勉強習慣をつける強力な武器が手に入るのはお得ですね。
2.やる気を引き出す「声かけ」をする
ここでは効果抜群の「声かけ」で、子供のやる気を引き出す方法を2種類、解説していきます。
- 医療現場に学ぶ!やる気を引き出す声かけ/やる気を失わせる声かけ
- 「実験」「観察」「メモ」で見つける子供の個性にあった声かけ
最初にご紹介するのは、医療現場での「声かけ」研究です。
中学生でも患者さんでも「声かけ」のコツは一緒
「医療現場の話が、中学生に役立つの!?」と感じるかもしれません。
もちろん、中学生と大人では、事情が違ってくる面も多少はあるでしょう。
ですが、病気で身体に障害を負い、痛みと格闘しながら、歩行練習をがんばる患者さん。
一方、やりたくない気持ちと格闘しながら、勉強習慣をつけようとがんばる中学生。
2者の間に、本質的な違いはありません。
それに、リハビリをがんばる患者さんには子供だって含まれます。
たしかに、3歳児と大人なら、事情は大きく違ってくることもあるでしょう。
ですが、中学生と大人であれば「心の仕組み」に大きな差異はないので、医療現場での声かけ研究はそのまま役立ちます。
リハビリ患者93名を対象に、80種類の「声かけ」を試した研究に学ぶ
怪我や病気で歩行やトイレが困難になってしまった方が、辛いリハビリを乗り越えるには、やる気を引き出す声かけが欠かせません。
そこで、「リハビリテーションにおける患者様への効果的な声かけについて」という研究に学び、「効果的な声かけ」「逆効果な声かけ」をご紹介していきます。
やる気を上げる声かけ5選
やる気につながる声かけの特徴を、例文付きで5種類ご紹介します。
例文は患者さん向けの内容を中学生向けにアレンジしていますが、言い回しはまったく同じです。
- 励まし:「まずはできるところまで勉強してみよう」
→74%が”やる気がでる”と回答 - 共感:「しんどいよね。もう少し勉強がんばれそうかな?」
→74.5%が”やる気がでる”と回答 - 褒める:「がんばったね。お母さん、嬉しいな」
→95.7%が”やる気がでる”と回答 - 目標を示す:「数学が得意になるよう、がんばろうね」
→85.4%が”やる気がでる”と回答 - 肯定的な評価を伝える:「毎日、お家で勉強した成果がでてきたね」
→93.3%が”やる気がでる”と回答
続いて、やる気の低下を招くNG集も確認しておきましょう。
やる気を下げてしまう声かけ3選
- 否定的な評価を伝える:「基本問題くらい解けないと恥ずかしいよ」
→30.8%が”やる気がでる”と回答
→33.3%が”やる気を失う”と回答 - 勉強しないことのデメリットを示す:「勉強しないと受験で困るよ」
→53.2%が”やる気がでる”と回答
→27.7%が”やる気を失う”と回答 - 指示や命令形の言葉:「嫌だと思うから嫌なの、嫌じゃないと思って勉強しなさい」
→18.8%が”やる気がでる”と回答
→45.8%が”やる気を失う”と回答
「スマホばっか見てないで、勉強しなさい。」といった指示や命令形の声かけは、とくにやる気を下げてしまうことがわかりますね。
「励ます」「共感する」「褒める」など。やる気を高めることが明らかな「声かけ」を意識するだけで、一気に状況が好転するでしょう。
とはいえ、同じ中学生といっても十人十色。
つぎは、子供の個性にあった声かけを見つける手順を解説します。
一人ひとりの個性にあった声かけ
「実験」「観察」「メモ」で、より効果的な声かけを見つける方法をご紹介します。
つまり、一人ひとりの個性を考慮した「オーダーメイド」なサポートを実現するテクニックです。
「メジャーリーグのトミー・ラソーダ元監督が、チームの成績をV字回復させたときのやり方」が参考になります。
例えば、ある選手がヒットを打ったとします。ベンチに戻ってきたときに「good(いいね)」と褒めたが、相手はニコリともしない。
すると、ラソーダ氏はメモ帳を取り出して、「彼には『good(いいね)』という言葉ではダメだ」と書きとめる。
次に、またその選手がヒットを打ったとき、今度は「great!(素晴らしい!)」と声をかけてみる。
彼が少しニコッとすると、「彼には『great!(素晴らしい!)』という言葉のほうがよい」と書きとめる、といった具合です。
出典:コーチングの定義と三原則
たとえば、子供が宿題を終えたときの場合を考えてみましょう。
- 「エライね」:反応や表情は微妙だった
- 「すごいね」:少しニコっとした
- 「素敵ね!」:とても嬉しそうな表情をうかべた
このように、「どんな声かけをしたら、どんな反応が返ってきたのか」をスマホのメモアプリなどに記録することで、さらにやる気を引き出すような声かけを独自に発見することができます。
- 実験:声かけ(褒める、質問するなど)をしてみる
- 観察:反応(表情や声の感じ、行動の変化など)を確認する
- メモ:失敗でも成功でも記録に残す
メモ魔になったつもりで、「声かけと反応」の記録を積み重ねていけば、おのずと子供の個性にあった声かけが見えてきます。
失敗の数だけ正解に近づくので、数か月単位で、声かけの仕方を探していきましょう。
焦らずじっくり探すことが大切です。「急がば回れ」ですね。
感覚に頼るのではなく、実験と観察から「褒め方」「叱り方」「質問の仕方」を見つけることが大事ですね。
3.家庭学習を習慣化するコツを取り入れる
ここからは、家庭学習を習慣化するコツを4つ紹介していきます。
前節の「親と子供の関わり方・声かけのやり方」と組み合わせると、さらに効果的。
勉強習慣づくりを強力に後押しします。
4つのコツは、すべて心理学や教育心理学をもとにした信頼できる内容です。
習慣化のポイントは「できる見通し」
「家庭学習の習慣化」「勉強習慣の定着」を考えるとき、一番のポイントは見通しです。
専門的には「自己効力感」という用語を使いますが、ここでは分かりやすく「できる見通し」と表現します。
「目標達成をさえぎるものが少なく、ちょっとがんばれば自分にもできそうだ」という予想
「できる見通し」を理解するのに、一番分かりやすいのは勉強法です。
勉強法は「できる見通し」を強化する!
勉強法(学習方略)は、やる気や勉強量そのものを高めることが、多くの研究から分かっています。
料理に例えるなら、
- レシピ(作り方)が分かる:「できる見通し」がつくので実際に作る
- レシピ(作り方)が不明:「できる見通し」がつかないので、作る気がしない
といったイメージ。
「レシピ」を「勉強法」に置き換えれば、やり方を知っているだけで、学習時間が増えるのは不思議なことではありません。
いったん英語を習得すると、語学一般の勉強法が見えてくるので、ドイツ語やフランス語など他の外国語が学びやすくなるのも同様の仕組みといえます。
塾長も東大卒で、講師も東大生のオンライン塾である「東大毎日塾」が開発した無料教材が便利です。
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勉強のやり方がわかれば、やる気がでる。逆に、やり方を知らないと、自分にはできない気がする。
これは、自然なことですよね。
ここからは、「できる見通し」を軸に、習慣化のコツを解説していきます。
コツ①:1日15分からはじめる
「1日3時間」「1日5時間」…と目標が大きくなるほど、「できる見通し」は激減してしまいます。
習慣化には日々の繰り返しが不可欠。
そのため、勉強習慣をつけるには下記の3条件を満たす目標設定が必須です。
- 「ちょっとがんばれば自分にもできそう」だと思える
- 「疲れていたり、気分が乗らない日」でもなんとかできる
- 「旅行や文化祭など用事の多い日」でも無理なくできる
これら「習慣化しやすい目標設定の3条件」を考慮すると、1日15分からはじめるのがベスト。
「1日15分」がすっかり定着したら、「30分」「40分」とストレッチしていけばいいのです。
反対に、毎日できそうにない大きすぎる目標は、習慣化につながりません。
完璧主義は失敗の元です。毎日のように反復することは大事ですが、「週に1日~2日はできない日があっても大丈夫」と考えましょう!
1日15分、週5日できればOK!
コツ②:簡単なものが先、難しいものは後
1日15分は「時間の取り組みやすさ」でした。
時間に対し、「内容の取り組みやすさ」も大事。
理由は、エンダウド・プログレス効果です。といっても耳慣れない言葉ですよね。下記にて解説します。
ゴールに向かってほんの少しでも前進すると、やる気が出てきて続けたくなる心理効果
いま仮に、「得意な英語の宿題」「苦手な数学の宿題」の2つが目の前にあるとします。
このとき、より取り組みやすい「得意な英語の宿題」から手をつけるほうが、遥かに気楽ですよね。
数学の問題集をやるときも同じです。
難しい問題ではなく、すでに解ける問題の復習からスタートする。
このように、「簡単なものが先、難しいものは後」が大事。
こうした考え方は、勉強習慣をつけるうえで、おおいに役立ちます。
1日15分、やりやすいことからはじめよう!
たとえば、毎日15分、好きな科目の勉強から習慣化をはじめると成功率は大幅に上がりますね。
コツ③:小分けにする
問題は小分けにするほど、解決しやすくなります。
小さな問題、小さなステップに分解するほうが、「できる見通し」もたちますよね。
小分けにするやり方は、下記の2種類です。
- 大きな問題を小さな問題に小分けする
- 大きな目標を小さなステップに小分けする
大きな問題を「小さな問題」に小分けする
たとえば、「勉強が苦手」を解決しようと思っても、問題が大きすぎて対処しにくいですね。
ひとつの方法は、科目別に対策を考える分け方です。
- 数学の成績を上げる方法
- 英語の成績を上げる方法
- 理科の成績を上げる方法
- 社会の成績を上げる方法
ここで、英語の成績を改善すると決めた場合、「英語」をさらに小さな問題に小分けしていきます。
- 英単語・英熟語など語彙力を強化する
- 英文法で苦手な単元を減らす
- 長文読解・リーディングの練習をする
- リスニング力を伸ばす
語彙力の問題なら、暗記アプリを活用すれば解決しそうですね。英文法なら、苦手な単元を攻略していけばいいのです。
このように、問題を小分けにすれば対処法が見えてきます。
対処法(やり方)が分かれば、「できる見通し」がたち、モチベーションも高まります。
勉強を科目に小分けし、科目は単元や項目に小分けしてから、対処法を考えよう!
大きな目標を「小さなステップ」に小分けする
学年にもよりますが、理想の勉強時間は1日どれくらいでしょうか。
進路や学年によっては、5時間、6時間と大きな単位になるかもしれません。
先ほど、「1日15分からはじめるのがいい」という話をしました。
これは、「勉強習慣」「勉強量」を小さなステップに小分けしているのです。
難易度を基準に小さなステップに落とし込む方法を、専門的にはスモールステップ化と言います。
スモールステップ化のポイントは、はるか先にある目標に気をとられるのではなく、今自分自身が立っている段階に焦点をあてること。
1日15分の習慣化に成功すれば、1日30分も簡単です。
さらに、40分、1時間、90分…と目の前の段階に焦点を当て、最終的な目標にじわじわと近づいていくイメージが大切です。
勉強も学習時間も難易度を軸に階段をのぼるイメージで小分けしよう!
コツ④:勉強中はスマホ・ゲーム機をしまう
最後に、シンプルで簡単にもかかわらず、頼もしい誘惑対策をご紹介します。
勉強中だけ、スマホやゲーム機といった「誘惑の元」は、視界に入らない状態にしておきます。
となりの部屋に移動させるのでも、引き出しにしまうのでも構いません。布やタオルで覆い隠すだけでもOK!
とにかく、目にはいらないようにする。ただ見ない。
それだけで、「誘惑される率は大幅に下がる」というのは、意志力の研究で明らかになっています。
ちなみに、ダイエットでも効果的なテクニックです。
たとえば、間食を減らすには、お菓子を「見えないところ」にしまっておけばいいのです。
4.達成感を味わえる学習スケジュールを立てる
様々な研究から目標と計画は、勉強習慣・勉強量に役立つことが分かっています。
うまく学習を進めるには、時間割ベースの学習計画を立てるとともに、タスクを把握・可視化し、やり残した課題に取り組む日や休息日を設定することが有効であることが示唆された。
出典:オンライン授業での大学生の自己調整学習方略使用と学習計画の立て方との関係
東北文化学園大学の調査でも「成績不振の大学生17名」を対象に、1学期単位の目標設定と学習計画表の作成を実施した結果、次のような変化を確認できました。
東北文化学園大学の調査では、目標・学習計画の作成後1か月で、学習時間が3.4倍に増えています。
さらに、スタディサプリ(リクルート)の調査でも「学習計画を利用すると学習時間は約2倍になる」という調査結果が出ています。
目標設定・学習スケジュールの作成が、「勉強習慣」に役立つのは明らかですね。
目標設定のコツは「達成できる」こと
目標設定のコツは欲張らないことです。大事なのは、達成感。
大きな目標が達成できないと「がんばったのに報われなかった……」と感じてしまい、勉強嫌いが加速してしまいます。
一方、ささやかな目標でも、達成感は勉強習慣を育むもの。
順位やテストの点数のように、がんばったからといって良い結果に結びつくとは限らない指標を目標にしないことも大切です。
- 具体性:曖昧な目標ではなく、数値化できるような具体的な目標をたてる。
(良い例)1学期の総勉強時間 - 範囲:1学期ごとに目標をたてる
- 正当な評価:「がんばり」が反映されるような目標をたてる。たとえば、「順位」や「テストの点数」は、がんばっても期待通りになるとは限らないので不適切。
- スモールゴール:理想主義ではなく、40%主義で小さな目標設定をする。
「こんなに小さな目標なんて達成したところで意味がない……」と感じるくらいが、ちょうど良いのです。
1日5分の勉強習慣でも魔法のように捗る
筆者は1日5分、日本史の勉強をしています。
たった5分では、3か月続けてもわずか7時間半。その気になれば、1日でこなせる分量ですよね。
ところが、「1日5分」というあまりに小さな勉強習慣でも、その満足度は予想の3倍も4倍も大きい。
実際、やってみると最初の3、4日でこんな気持ちになります。
- 今日は食事もめんどうなくらい疲れてるけど、5分だけと思うと日本史の勉強が楽しい!
- 5分のはずが気がついたら、2時間も勉強していた!
- 1日5分なのに、たった1週間で日本史用語を40個も覚えてしまった!
繰り返しになりますが、ポイントはエンダウド・プログレス効果。
この心理効果は、「ゴールに向かってほんの少しでも前進すると、やる気が出てきて続けたくなる」という大変便利なものでしたね。
つまり、5分だけ勉強すれば見事達成。もうその日はYouTubeを観たりと、自由に過ごしてOK。
とはいえ、5分を過ぎても「もう少しだけ勉強したい!」と感じる日は、10分、30分…と延長してもいいわけです。
もちろん5分以上やりたくない日は、5分で手を止めても達成率は100%!
これがもし「1日1時間」の目標設定だったら何が起こるでしょう。
間違いなく、三日坊主。つまり、挫折してしまいます。
小さ過ぎるぐらい小さな目標は、挫折知らずで効果抜群なんです。
どんなに小さな目標でも、続けるだけでかならず道は開ける!
とにかく続けること。別の言葉でいえば「挫折したくてもできない」ような目標設定こそ、勉強習慣づくりの最重要ポイントです。
学習スケジュールの組み方
先ほどグラフで引用した「成績不振学生に対する学習習慣改善の取り組みと学習時間に関するアンケート調査について」という報告も参考にしつつ、学習スケジュールの組み方を確認していきましょう。
1時間刻みで日間・週間・月間スケジュールをつくる
臨床心理学や精神医学、教育心理学では、学習スケジュールは30分ないし1時間刻みで作成する場合がほとんどです。
つまり、1時間刻みの日間スケジュールを基本に、週間・月間スケジュールを作成。
こうしたスケジュールを「1学期単位」で運用しましょう。
学習スケジュール:成功の秘訣は「記録」
学習スケジュールは、単なる予定表ではありません。
1日の終わりに、その日の勉強内容を記録するのが成功の秘訣。
家計簿をつけると節約しやすくなりますよね。
記録ダイエットにいたっては、一部の医療機関でも採用されているくらい。
計画と記録は、たとえ簡単であっても想像以上に強力なのです。
下記に示したのは、医療・教育の現場でよく使われる日間スケジュールと学習記録の参考例です。
時間 | 予定 | 学習記録 |
---|---|---|
AM8 | 学校 | |
9 | 学校 | |
10 | 学校 | |
11 | 学校 | |
12 | 学校 | |
PM1 | 学校 | |
2 | 学校 | |
3 | 学校 | |
4 | 部活 | |
5 | 部活・帰宅 | |
6 | 休憩・夕食 | |
7 | 勉強(目標15分) | 英語(40分くらい) |
8 | 自由時間 | |
9 | 自由時間 |
学校の授業まで記録しようとすると、いつしか学習スケジュールが忘れ去られる恐れがあります。
勉強習慣をつけるには、「継続」が最優先。
継続に成功すれば必ず道は開けるので、自習時間だけ記録しておけば十分です。
勉強時間も厳密に計る必要はありません。
だいたい15分。たぶん50分くらい。そのくらいラフで構いません。
この調子で、「週間スケジュール」「月間スケジュール」「1学期のスケジュール」も作りましょう。
最適な計画表を作るには「プロ仕様」の無料テンプレートをダウンロード
とはいえ、ゼロから完成度の高い計画表を自作するのは、大変ですよね。
LINEで東大毎日塾を友達登録すれば、受験のプロが開発した、『書き込み式計画表テンプレート』『科目別学習ロードマップ』を無償でダウンロードできます(不要ならブロックしてもOK)。
自分で計画表を作成する手間を省きたい場合は、QRコードをご確認ください。
5.教育のプロ(オンライン塾)に相談する
ここからは、オンライン塾を活用した勉強習慣のつけ方をご紹介していきます。
家庭内でのサポートとプロのサポートを組み合わせれば、意志力・忍耐力ではなく、仕組みで勉強習慣をつけることができます。
- ダイエットに困ったら、パーソナルトレーナーに相談
- 喫煙など生活習慣に困ったら、医師に相談
- 貯蓄・保険・年金など資産運用で困ったら、ファイナンシャルプランナーに相談
同様に、「子供の勉強習慣で困ったら、教育のプロに相談する」ことは、とても有効な解決策です。
そこで、プロによる専門的な支援を検討される方を対象に、当サイト一押しのオンライン塾・オンライン個別指導を2社ご紹介します。
いずれも塾長と直接お話するなど、徹底的な取材で、信頼できるオンライン教育サービスです。
- 勉トレ:担当者つきのオンライン自習が、500円/50分。個別指導も3,000円/50分の低価格。
自習では「問題演習」、個別指導では「理解・知識の定着」の分割授業方式を採用 - 東大毎日塾:東大生に24時間365日、LINEで質問し放題。Zoom自習室も使い放題。
24時間、質問・相談ができ、モチベーションなどメンタルが安定
下記は、より詳しいサービス内容の比較表です。
サービス | 勉トレ | 東大毎日塾 |
---|---|---|
利用料金 | 3,000円/50分 ※月額目安:18,678円 (週3回の自習、週1回の個別指導の場合) | 43,780円/月(サポートコース) 65,780円/月(スタンダードコース) |
特色 | ・現役教師が考えた教育メソッド「分割授業」は、アウトプットを増やすだけでなく、価格も抑えられ継続できる (※分割授業とは、個別指導で科目を理解し、オンライン自習でアウトプットし定着させる仕組み) | ・365日24時間、質問・相談し放題 (分からない所や勉強法の悩み、学習計画の進み具合など) ・Zoom自習室も使い放題 |
講師 | 国立大学卒のプロ講師 | 東大生 |
形式 | オンライン | オンライン |
入会金 | 0円 ※自習500円、個別指導3,000円以外の料金は発生しない | 4万円 ※入会金無料キャンペーン有 |
方針 | ・やる気ではなく「仕組み」で、毎日の勉強習慣をつける ・受験直前に焦って対策するのではなく、早い段階で勉強習慣をつける | ・24時間体制の伴走・声かけで、生徒をひとりにしない ・24時間体制の質問・相談・Zoom自習室で、勉強習慣をつける |
体験授業 | 自習10コマ+個別指導2コマ (1コマ50分) | 14日間の無料体験授業 |
公式サイト | 勉トレ | 東大毎日塾 (※LINE登録で、勉強法の電子書籍・講義動画を無償配布中) |
【勉トレ】「仕組み」で勉強習慣づくりをサポートするオンライン指導
勉トレは、現役教師が考えた「分割授業」を採用しているのが、最大の特徴です。
分割授業とは、
- 個別指導:科目理解
- オンライン自習:アウトプット・問題演習
のように「個別指導」と「オンライン自習」で役割分担をする教育メソッド。
従来のオンライン家庭教師や個別指導では、貴重な授業時間内に問題演習も組み込んでいました。
たとえば、下図のようなイメージです。
授業中に問題を解く時間を設けると、結果的に正味の授業時間は全体の1/3程度(1コマ60分なら20分)になってしまいますよね。
少なくとも、生徒が問題を解いている間、先生は手が空いてしまいます。
そこで勉トレは、「個別指導の間は、個別指導だからこそできる」ことだけをする目的で、分割授業を考案したのです。
その結果、下図のように1コマあたりの「学習効果」を高めることに成功しています。
個別指導の時間のほとんどを授業に当てるため、アウトプットとしての問題を解く時間は、担当者つきのオンライン自習で確保。
結果として、個別指導の内容を最大化し、アウトプットも増やすことが可能。
加えて、分割授業は価格も抑えられるので、低学年からでも塾に通わせる負担は少ないですよね。
- 国立大卒のプロ講師による個別指導:3,000円/50分
- 担当者の確認で集中しやすいオンライン自習:500円/50分
- 上記の個別指導3,000円、オンライン自習500円以外は、一切費用がかからない
低学年から始めれば、中3の夏期講習から焦って対策をするより、ずっと有利に立ち回ることが可能。
中1・中2で勉強習慣をつけることができれば、次のような好循環が期待できます。
- 成功体験で勉強が面白くなる
- 中2で中3の範囲を終わらせ、3年次は高校受験の過去問対策に集中する
- 苦手科目を早期に無くすことで、「数学は嫌いだから理系は諦める」といった問題を予防。将来の選択肢を増やす
もちろん、今が中3の夏以降の時期でも勉トレのコンセプトは大きな助けになります。
「料金安い」 = 「問題を解く時間を毎日確保できる」
高価な塾で授業を受けても、復習や問題演習が不足すれば知識は定着しません。
勉トレの公式サイトの記載を引用すれば、「精神論ではなく、確かな方法で必要な量勉強すれば必ず結果は付いてくる」のです。
体験授業だけで20点、30点あがることもある
勉トレでは、「自習10コマ+個別指導2コマ」の体験授業を実施しています。
通常の塾の場合、体験授業は1~2コマ、多くても4コマが普通。そのため、授業の雰囲気を掴むので精一杯です。
一方、勉トレでは12コマの体験授業が用意されているため、学習習慣の変化や点数UPを実感できるボリュームです。
「オンライン自習は本当に効果があるのか」「授業はどんな感じなのか」、まずは体験授業で相性を確認しましょう。
【東大毎日塾】オンライン自習室×24時間質問し放題で勉強習慣をつける
東大毎日塾の売りは、圧倒的な面倒見の良さです。
- 担任のように東大生が寄り添ってくれる
学習モニタリング&声かけによる自学自習のサポート - 24時間365日、質問・相談が可能(保護者からの相談にも積極的に対応)
学習状況の「見える化」で、保護者にとっても子どもの状態がすぐにわかり安心 - Zoom自習室も使い放題
こうした面倒見の良さで、勉強習慣が確実に身につくだけでなく、難関高校の受験対策も効率的に進めることができます。
東大生とはいえ、先生が学生というのは不安かも……
「採用率30%以下の厳しい選考」と「教育のプロによる指導内容の徹底確認」で、品質管理は万全です。
「質問のやりとり」から「面談記録」まで、東大生講師の指導履歴をすべてチェック。
こうした取り組みにより、面倒見が良いだけでなく、高品質な指導を安定して提供できる体制が整っています。
東大毎日塾の体験授業
14日間の無料体験授業が受けられるので、東大生にいつでも質問・相談できることが、どのくらい勉強に役立つか。
実際に確認したうえで、入塾を検討するのが安心ですね。
LINE登録で5万円相当の「オリジナル教材」をプレゼント!
東大毎日塾の公式LINEを友達追加するだけで、勉強中のお子様に必ず役立つプレゼントを、塾長の内田悠斗さんから提供してもらいました!
この特典を使って成績が上がらなかったら、直接連絡して頂いても良いレベルの内容になっていますので、ぜひ無料で試してみてください。
【経験談】中学生で身につける勉強習慣は一生の財産
「三つ子の魂百まで」ではありませんが、小中学生で身についた勉強習慣は、高校生、大学生、社会人と続くもの。
つまり勉強習慣は、生涯にわたって本人を助ける最強の武器といっても過言ではありません。
筆者自身がライター業という天職に出会えたのは、ひとえに勉強習慣のおかげです。
勉強習慣がなければ人生の喜びが激減していたであろうことは、間違いありません。
中学生が勉強習慣をつけるキーワードは「仕組み」
その勉強習慣を与えてくれたのは、いまでも尊敬する塾の先生。
中2までクラスで最下位レベルだった英語の成績は、塾に通いはじめて半年くらいで、偏差値70を突破。
その秘密は、「授業ではなく自習時間を仕組みで確保する」やり方です。
たとえば、筆者の通っていた塾の方針はシンプルそのもの。
「家では勉強しづらいだろうから、授業がない日でも塾に来なさい」
中3の夏休みにいたっては、週5で塾に通い、朝9時~夜9時まで塾内で過ごすのが日課になっていました。
もちろん、担当講師が自習をサポートしてくれます。
こうして、中2で通いはじめた「塾」をきっかけに、20年以上「勉強習慣」は保たれています。
勉強習慣は、一生の財産なのです。
プロのサポートで勉強習慣化の成功率は飛躍的に向上する
ダイエット習慣を身につけるために、「筋トレ」「カロリー計算」「記録をつける」といった努力を自力でやり遂げるのは、ほんとうに難しいですよね。
そこで、ライザップやフィットネスクラブ、パーソナルトレーナーなど。プロのサポートを使うと、自力では困難を極めたダイエットもあっさり成功してまう。
あるいは、タバコをやめたいなら禁煙外来を受診するのが賢明。
厚生労働省の調査を元に、「自力での禁煙成功率」と「専門的支援での禁煙成功率」を比較してみましょう。
- 自力の場合:1年以上禁煙を継続できるひとは1~3%
- 禁煙外来:10分~15分の禁煙指導を5回受けた人の禁煙成功率は、治療終了時で約75%、治療終了9カ月後でも約50%
自力で対策する場合に比べ、プロのサポート(禁煙外来)を利用した人は、どんなに少なく見積もっても「約20倍」の成功率です。
あくまで禁煙の話題ですが、ダイエットや勉強も含めて、「努力する習慣」であることに変わりはありません。
まとめ:5つのポイントを押さえて勉強を習慣化させよう
ここでもう一度、名古屋大学速水教授の「外発的動機づけと内発的動機づけの間」の要点を確認しておきましょう。
- 周囲の適切なサポートでやる気を引き出し、成功体験を積ませる
- 成功体験から「自分は勉強が得意だ」という認識を育み、自発的に学ぶようになる
勉強習慣は周囲のサポートで後天的に身につけるものです。同時に、一生ものの財産でもあります。
勉強習慣は知識。知識は能力。能力は豊かな人生に繋がります。
ご家庭をはじめ、ときにプロのサポートも活用しつつ、なるべく早い段階で勉強習慣をつけることが肝心。
参考までに、先ほどご紹介したオンライン塾の比較表を再掲します。
サービス | 勉トレ | 東大毎日塾 |
---|---|---|
利用料金 | 3,000円/50分 ※月額目安:18,678円 (週3回の自習、週1回の個別指導の場合) | 43,780円/月(サポートコース) 65,780円/月(スタンダードコース) |
特色 | ・現役教師が考えた教育メソッド「分割授業」は、アウトプットを増やすだけでなく、価格も抑えられ継続できる (※分割授業とは、個別指導で科目を理解し、オンライン自習でアウトプットし定着させる仕組み) | ・365日24時間、質問・相談し放題 (分からない所や勉強法の悩み、学習計画の進み具合など) ・Zoom自習室も使い放題 |
講師 | 国立大学卒のプロ講師 | 東大生 |
形式 | オンライン | オンライン |
入会金 | 0円 ※自習500円、個別指導3,000円以外の料金は発生しない | 4万円 ※入会金無料キャンペーン有 |
方針 | ・やる気ではなく「仕組み」で、毎日の勉強習慣をつける ・受験直前に焦って対策するのではなく、早い段階で勉強習慣をつける | ・24時間体制の伴走・声かけで、生徒をひとりにしない ・24時間体制の質問・相談・Zoom自習室で、勉強習慣をつける |
体験授業 | 自習10コマ+個別指導2コマ (1コマ50分) | 14日間の無料体験授業 |
公式サイト | 勉トレ | 東大毎日塾 (※LINE登録で、勉強法の電子書籍・講義動画を無償配布中) |
この記事が、勉強習慣づくりのお役にたてれば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
(※各教科の中でも、特に国語が苦手な中学生の勉強法については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。)
(※勉強を習慣化させるコツについては、こちらの記事でも詳しく解説されています。)
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