国語が苦手で、勉強法が分からないという中学生は、驚くほど多いですね。
国語には英語や数学と同様に「正しい勉強法」があります。それは「文章からスタート」するのではなく、「単語→文→段落→文章」の順序で読解する勉強法です。
- 「単語」が分かれば「文」が分かる。
- 文が分かれば「段落」が分かる。
- 段落が分かれば「文章」が分かる。
- 文章が分かれば「国語」で高得点が取れる!
- 単語:言葉の最小単位・これ以上分けられないもの
(例:リンゴ) - 文:単語の集まり・句点(。)~句点(。)まで
(例:リンゴは丸い。) - 段落:文の集まり
(例:リンゴは丸い。そして甘い。焼いてもおいしい。) - 文章:段落の集まり・言葉の最も大きい単位
(例:この記事全体)
筆者自身が、長年の研究で発見した「短期間で国語が得意科目になる勉強法」。塾講師・家庭教師を通じて、中学生の国語力を伸ばした実績。
これらを総動員して、国語の勉強法を「見える化」。短期間で国語力が伸びる勉強法を、お伝えしていきます!
- 進研ゼミ中学講座:本当に丁寧で基礎から分かりやすい。市販の参考書を圧倒する「面白さ」。ついつい勉強したくなる「添削指導」が魅力。
- スタディサプリ・ベーシックコース&個別指導コース:個別指導コースでは、大学生コーチとのチャットで、勉強量を底上げ。まずは無料体験で、効果を確認するのが安心!
国語の苦手を克服し「得意科目」にすると高校・大学入試で有利に!
偏差値60以上のお子様でも「国語は何をどう勉強すれば伸びるのか? さっぱり見当がつかない」と。中1から高3まで、悩み続けるケースも少なくありません。
そういった場合、1990年代~2010年代の中学・高校生なら「国語は捨てる」という選択肢も”アリ”でした。
昔から「国語は全科目の土台」と言われていましたが、少し前までは英数などの高配点の科目さえ強ければ、難関校にも合格できました。
大学入試改革で中学生も高校生も「国語力」の比重が大幅アップ
一方、2021年度に打ち出された「大学入試改革」の影響で、高校・大学受験ともに「読解・作文&小論文」の重要性が年々増大。
国語だけでなく数学や社会など、全科目で読解力(文章を理解する力)を重視する出題が、増え続けています。
このため、国語や作文、小論文に強い学生が圧倒的に有利!
逆に「読解・作文&小論文」の苦手を放置すると「全科目で苦戦を強いられる」のが、2020年以降の顕著なトレンド。高校受験でも大学受験でも、国語力の比重は飛躍的に高まっているのです。
今は自信がなくても、国語の苦手克服は意外と簡単!
英語や数学と「国語」の一番の違いは、正しい勉強法さえ分かれば、本当に短期間で得点力を伸ばせる事実。英語は外国語であるため、どうしても大量の英単語の暗記が必要。数学も膨大な問題演習を経て、ようやく成績が上がる科目です。
ところが国語は、一部知識問題はあるものの「読解力」さえ身に付けてしまえば、8割は得点できます。「いやいや、その読解力を身につけるのが難しいんじゃないか!」という声が、聞こえてきそうですね。
ところが、正しい勉強法さえ理解すれば、3~4カ月で大学入試問題すら解けるようになる。読解力っていちばん少ない勉強量で身に付く能力なのです。
国語勉強法①.「単語(語彙力)」で「文」を読解できるように!
まずは単語。「語彙力」がないと、文(句点~句点まで)が理解できません。「単語が分からないと、文も分からない」というのが、一番大切なポイントです!
「一文一文の意味」が分からないまま、「文章を読解できる」人なんて、絶対にいませんよね。
- 単語:言葉の最小単位・これ以上分けられないもの
(例:リンゴ) - 文:単語の集まり・句点(。)~句点(。)まで
(例:リンゴは丸い。) - 段落:文の集まり
(例:リンゴは丸い。そして甘い。焼いてもおいしい。) - 文章:段落の集まり・言葉の最も大きい単位
(例:この記事全体)
- 「単語」が分かれば「文」が分かる。
- 文が分かれば「段落」が分かる。
- 段落が分かれば「文章」が分かる。
- 文章が分かれば「国語」で高得点が取れる!
単語が分からないと、一文一文の読解もままならない理由を確認してみましょう。
英語でも「単語」が分からないと、一文の意味すらとれないのと同じってこと?
そのとおり! 中学生向けの文章に「日本人は、現在かなり寛容な世界に住んでいる」という一文があります。読解できそうですか?
「寛容」の意味が、いまいち分からないかも!? 寛容な世界ってどんな世界なのか? イメージしにくい…
寛容は「自分とは違う意見も広く受けいれること」を指します。たとえば「自分は犬派だけど、猫派の人がいてもOK」のようなイメージですね。
じゃあ「かなり寛容な世界」って、人によっていろいろな意見があっても許される世界って感じかな?
正解です! 「英語が一番」「大切なのは数学」「社会こそ大事」など。いろいろな意見を、互いに認めあえる”世界”のことですね。
単語が分かれば、文が分かる!
ノーベル文学賞も受賞した文豪の川端康成も、単語一つ一つの重要性を以下のように述べています。
単語の選択一つにも、その作家の生命はこもる。逆にいえば、その作家の個性は、単語一つからも究明出来る。
『新文章讀本』川端康成/著(タチバナ文芸文庫)
中学生向けの語彙力の参考書を「読む」
読むにせよ書くにせよ、語彙力ほど大事なものはありません。語彙力は「ちゃんと理解している単語の数」を指します。
「語彙力を増やす」いちばん簡単な方法は、語彙力の参考書(単語集)を読むことです。これは、英単語の暗記とはまったく違い、本のように気楽に眺めるだけで十分。
国語辞典や類語辞典は、引くのって大変ですよね。電子辞書でも敷居は高く「国語が苦手な中学生」には不向きです。
ところが、語彙力の参考書(単語集)は気軽。引くのではなく「読む」辞書だからこそ、とっつきやすい。
重厚な辞書を前に手が止まってしまうのが一番厄介。収録語数の限られた単語集を気軽に読むほうが、確実に語彙力向上につながります。
(※中学生向けの語彙力の参考書(単語集)としては、例えば以下のものがお勧めです。)
単語集の眺め方
- 興味のある単語解説だけ読む!
- 覚えようとしなくて大丈夫!
- ボーっと眺めるだけでもOK!
上記3つの原則を守ることが、国語を得意科目にする第一歩。肩の力を抜いて、語彙力の参考書(単語集)に目を通すようにします。1日10分・週5日を目安に、取り組んでみましょう!
例題:次の「一文」の意味を自分の言葉で説明すると?
「『単語』が分かれば『文』も分かる!」を実感しやすいよう、例題(練習問題)を用意しました。
不明な単語は、国語辞典で「よーく調べて」文意を考えてみましょう!
「複雑な物事も、分析すれば理解しやすい」
解答解説(タップ・クリックで表示)
一番のポイントは「分析」。自分の言葉で簡潔に(20文字以内で)意味を説明できるか、と言えば簡単ではないですよね。
分析は「要素に分けること」。すなわち、”分解して理解すること”を指す単語です。
そのため「複雑な物事も”要素”に分ければ理解しやすい」が、解答です。
読解力、と言われると難しく感じますが、分解して考えれば、正しい勉強法が分かりますね。
繰り返しになりますが「読解力」を分解する(要素に分ける)と、単語・文・段落・文章から成立しています。とりわけ単語は、文章の最小単位。「一つひとつの単語」を理解していけば「一文一文」が分かり、最終的には、文章を読解できるようになります。
- 進研ゼミ中学講座:本当に丁寧で基礎から分かりやすい。市販の参考書を圧倒する「面白さ」。ついつい勉強したくなる「添削指導」が魅力。
- スタディサプリ・ベーシックコース&個別指導コース:個別指導コースでは、大学生コーチとのチャットで、勉強量を底上げ。まずは無料体験で、効果を確認するのが安心!
国語勉強法②.「文」が分かれば「段落」も読解できる!
- 「単語」が分かれば「文」が分かる。
- 文が分かれば「段落」が分かる。
- 段落が分かれば「文章」が分かる。
- 文章が分かれば「国語」で高得点が取れる!
- 単語:言葉の最小単位・これ以上分けられないもの
(例:リンゴ) - 文:単語の集まり・句点(。)~句点(。)まで
(例:リンゴは丸い。) - 段落:文の集まり
(例:リンゴは丸い。そして甘い。焼いてもおいしい。) - 文章:段落の集まり・言葉の最も大きい単位
(例:この記事全体)
一文一文の意味がとれないと、段落(文の集まり)も読み解けません。すると、文章全体(段落の集まり)は、完全に意味不明。結果的に「なんとなく」それっぽい解答をつくるはめに……。
感覚で解いてしまうと、国語の得点は、半分運任せになってしまいますね。
一方「単語(語彙力)・文・段落」の3つが分かれば、文章が分かり、国語は一気に得意科目に!
ここからは、段落(文の集まり)を読解する練習法を、確認していきましょう。
一文一文が分かれば、段落が分かる!
論理的に読むには「接続詞」に注目する
語彙力は、一文一文の意味を的確に理解するための力。一方、段落(文の集まり)を紐解くには、「論理的に読む力」が求められます。
「論理的…難しそう…」と構える必要は皆無! 接続詞に注目するだけで、かなり論理的に読む力が身につきます。
順接(そして系):足し算(+)の接続詞。「そして」「さらに」「むしろ」など。
逆説(しかし系):対比(⇔)の接続詞。「しかし」「だが」「でも」など。
順接は、「付加」「解説」「理由」「例示」に分類すれば、簡単に理解できます。
順接の接続詞は4種類!
- 付加:「そして」「しかも」「むしろ」など。新たな主張を付け加える
- 解説:「つまり」「すなわち」「別の言葉で言えば」など。要約や言い換えを述べる
- 理由:「なぜなら」「から」「ので」など。理由を述べる
(※「から・ので・ため」は、接続助詞) - 例示:「例えば」「具体的には」など。具体例を述べる
順接の接続詞は「+」記号だと思っておけば大丈夫。
ただし「むしろ」だけは要注意!“Aというより、むしろB”は、「AとBの2つからBを選ぶ」を指す表現です。
たとえば「ダイエットのしすぎは、美容というよりむしろ不健康である」は、美容といえなくもないが、不健康として扱う方が適切! という意味。
逆説の接続詞は「対比」
「しかし」に代表される逆説は、対比を表します。対比とは、逆を考えることで理解を深める思考です。別の言葉でいえば、逆説は話題転換でもあります。
- 進研ゼミ中学講座:本当に丁寧で基礎から分かりやすい。市販の参考書を圧倒する「面白さ」。ついつい勉強したくなる「添削指導」が魅力。
- スタディサプリ・ベーシックコース&個別指導コース:個別指導コースでは、大学生コーチとのチャットで、勉強量を底上げ。まずは無料体験で、効果を確認するのが安心!
国語勉強法③.多読を通して「正しい日本語」に慣れる
ブログやSNSだけではなく、出版物(正しい日本語)に多く触れる機会を増やすこと。
そうすることで、「文章 → 段落 → 文 → 単語」のように、これまでの解説と逆のアプローチでも力を付けることができます。
単語スタートではなく、文章スタートで国語力を養うのが多読・読書です。
出版社から出ている本は日本語のレベルが圧倒的に高く、多読(読書)を重ねることで、国語力を底上げします。最低でも3カ月、できれば半年は要する、気長な勉強法。しかし、効果は抜群です。
読書習慣を付ける鉄則は「興味本位」「選書」の2つ
- 興味本位:全部読まなくていい。どこから読み始めて、どこで読み終えてもいい。興味のあるページ以外読んではいけない! 興味本位に読むことが何より大事。
- 選書:「どの本が自分好みか」を試行錯誤することを選書と言う。読書嫌いの多くは「好みの本が分からない」だけで、本自体が嫌いなわけではない。
まとめ:短期間で国語を得意科目にする「正しい勉強法」
国語が苦手な中学生にどうしても伝えたい。正しい国語の勉強法を改めて確認しておきましょう!
- 「単語」が分かれば「文」が分かる。
- 文が分かれば「段落」が分かる。
- 段落が分かれば「文章」が分かる。
- 文章が分かれば「国語」で高得点が取れる!
- 順接(そして系)は、足し算(+)
- 逆説(しかし系)は、対比(⇔)
- 対比は、逆を考えることで物事を理解すること!
- 興味本位:全部読まなくていい。どこから読み始めて、どこで読み終えてもいい。興味のあるページ以外読んではいけない! 興味本位に読むことが何より大事。
- 選書:「どの本が自分好みか」を試行錯誤することを選書と言う。読書嫌いの多くは「好みの本が分からない」だけで、本自体が嫌いなわけではない。
英語も国語も、単語力・語彙力がしっかりしていれば、5割は完成です。
逆に、どんなに頑張ろうにも語彙力不足では「どうしようもない」。国語(日本語)も英語も「まずは語彙力!」という科目なのです。
まず「単語が分かれば文も分かる」という項目だけでも、クリアしてみてください。少しずつ国語が好きになり、さらには得意になっていきますので!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
- 進研ゼミ中学講座:本当に丁寧で基礎から分かりやすい。市販の参考書を圧倒する「面白さ」。ついつい勉強したくなる「添削指導」が魅力。
- スタディサプリ・ベーシックコース&個別指導コース:個別指導コースでは、大学生コーチとのチャットで、勉強量を底上げ。まずは無料体験で、効果を確認するのが安心!
(※加えて、中学生に勉強習慣をつける方法については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。)
コメント