地形をつくる力の総称を営力といいます。
営力には火山活動など地球内部のエネルギーで地形をつくる内的営力と、風化など地球の外側からの作用で地形をつくる外的営力の2種類があります。
内的営力は地表をでこぼこにする働きをするのに対し、外的営力は地表を平坦にならす働きをすることが特色です。
内的営力とは
内的営力は、火山活動と地殻変動の2つに分けることができます。
内的営力はでこぼこ(起伏)を増やし、大地形をつくります。
大地形とは、地球儀などを使ってやっと表現できる大きな地形で、大陸や大山脈のことです。
火山活動とは
火山活動とは、マグマが溶岩などになって地表に出てくることです。
火山地形をつくり、地震や津波の原因になることもあれば、地熱発電や温泉として有効利用されることもあります。
地殻変動とは
地殻変動は内的営力の一種で、長い期間をかけて緩やかに高地や盆地などをつくる造陸運動と、断層や褶曲を伴って短期間の激しい働きで山地をつくる造山運動の2種類に分けることができます。
地殻とは
地殻とは地球表面の岩石圏のことです。
もっと簡単に言えば、地球を卵にたとえたとき、一番外側の薄い殻にあたる部分のことです。
断層とは
断層とは地層のズレのことで、断層によってつくられた山を断層山地といいます。
褶曲とは
褶曲とは地表の「しわ」のことです。
例えばプレートの狭まる境界(プレートが衝突する部分)で、横からの力でできた「しわ」がヒマラヤ山脈のような褶曲山脈です。
プレートとは
プレートとは地球表面を覆う十数枚の板状をした固い岩盤のことで、プレートの下にはマントルと呼ばれる流動性の物質があります。
プレートはマントルの上にのって移動します。
造陸運動とは
造陸運動とは、ゆっくりとした地殻変動で広大な大陸をつくることです。
東ヨーロッパ平原・シベリア卓状地・カナダ楯状地などが代表例です。
造山運動とは
造山運動とは、断層運動、褶曲運動などによって大きな山をつくることです。
アルプス=ヒマラヤ造山帯・環太平洋造山帯・アパラチア造山帯・ウラル造山帯などが有名です。
外的営力とは
外的営力とは地球の外側から作用し、地表にあるモノを風化・侵食・運搬・堆積して、全体として小地形をつくります。
その後最終的には、平らな地形をつくります。
風化とは
風化とは、岩石が物理的または化学的に分解されることです。
侵食とは
浸食とは、雨・河川などの流水・氷河などによって岩石が削り取られることです。
侵食の力によってつくられる平らな地形を侵食平野といいます。
また侵食平野は準平原と構造平野の2種類に分類できます。
準平原とは
山が侵食によって削られて平坦になったものを準平原といいます。
ほとんどの準平原は楯状地です。まるで楯(盾、たて)をふせたような形をしていることから楯状地と呼ばれます。
構造平野とは
古い地層で元々水平なものが、さらに長い間、侵食を受けてできた広い平地を構造平野といいます。
つまり、テーブルの形をした卓状地が長い期間侵食を受けてできた広大な平野です。
運搬と堆積
地表のでっぱった部分が侵食を受けると、削り取られた岩くずなどは河川などによって運搬されて、結果的に、地表のへこんだ部分に堆積します。
これが運搬と堆積で、へこみを岩くずなどで埋めるので、地表を平らにします。
こうしてつくられた平野を堆積平野といいます。
内的営力と外的営力のまとめ
- 内的営力→造陸運動/造山運動ででこぼこの大地形をつくる
- 外的営力→風化・侵食・運搬・堆積で平らな小地形をつくる
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