この記事では、使役動詞の意味、例文、使い方について徹底的に分かりやすく解説します。
使役動詞とは
使役動詞とは第5文型で「Oにdoさせる」という意味になる動詞の総称であり、補語(C)に原形不定詞や分詞がくることが文法的な特徴です。主な使役動詞はlet, have, make, getの4種類です。
原形不定詞・分詞の意味
まずは使役動詞を理解するための下準備として原形不定詞と分詞の意味を確認するところから始めましょう。
原形不定詞とは
まずは「原形不定詞とは何か?」から説明していきます。原形不定詞とはto 不定詞からtoを取ったもので、形としては動詞の原形になります。例えばto goからtoを取ったgoが原形不定詞です。
分詞とは
続いて、使役動詞を理解する上で欠かせない分詞について解説します。分詞とは元々は動詞だったものが形容詞になったもので、現在分詞と過去分詞の2種類があります。
現在分詞とは?
現在分詞は「~ing」の形で形容詞になり、「能動(~する)」/「進行(~している)」の2つの意味を表します。
例a rolling stone(転がっている石)過去分詞とは?
過去分詞は例えばwrite-wrote-writtenのwrittenのように動詞の変化の3番目のことで、形容詞として「受動(~される)」/「完了(~した)」の2つの意味を表します。
例①fallen leaves(落ち葉)語句 fall(落ちる)
解説 動詞fallの過去分詞はfallen(落ちた)です。そのためfallen leavesで「落ちた葉→落ち葉」を表します。このfallenは《完了》の意味です。
例②a letter written in English(英語で書かれた手紙)解説 written in Englishが形容詞としてa letterを修飾しています。「英語で書かれた」という意味からもわかるように、このwrittenは《受動(~された)》の意味の過去分詞です。
これで下準備は整いました。ここからは、いよいよ本題の使役動詞について解説していきます!
使役動詞の補語は原形不定詞 or 分詞
使役動詞は主に第5文型で使われます。使役動詞が使われる第5文型(SVOC)の英文では<C>に原形不定詞か分詞のどちらかがきます。
「補語=原形不定詞」の例文
使役動詞のlet, have, make, getはいずれも「Oにdoさせる」という意味ですが、それぞれのニュアンスは微妙に違ってきます。ニュアンスの違いをおさえつつ、let, have, make, getの使い方を具体的な例文で確認していきましょう!
let
She let me go there.
彼女は私をそこに行かせてくれた。
letのニュアンスは《許可》で「Oにdoさせてあげる」という意味です。補語のgoが原形不定詞で、このgoの意味上の主語が目的語のmeになっています。つまり「me→go」で「私が行く」という関係です。
補足「意味上の主語」とは文法的には主語ではないが意味の上では「~が」に相当するもののこと!have
I have her check the documents.
私は彼女に書類を確認してもらった。
haveのニュアンスは《依頼》で「Oにdoしてもらう」です。目的語のherが、補語であるcheckの意味上の主語になっています。つまり「her→check」で「彼女が確認する」という意味です。
make
She made him go away.
彼女は彼を立ち去らせた。
makeのニュアンスは《強制》で「Oに無理やりdoさせる」という意味です。目的語のhimが補語のgoの意味上の主語です。つまり「him→go away」で「彼が立ち去る」です。
get
getの特徴は補語に原形不定詞ではなくto 不定詞をとる使役動詞だということです。getだけget+O+to doで「Oに~させる」という意味になります。
I got her to repair the computer.
私は彼女にコンピューターを修理してもらった。
目的語がherで、補語がto repairです。herがto repairの意味上の主語なので「her→to repair」で「彼女が修理する」という意味になります。
「補語=分詞」の例文
最後に現在分詞や過去分詞が使役動詞の補語になるパターンを確認していきます。
Jane had us laughing.
ジェーンは私たちを笑わせた。
現在分詞(laughing)には《能動(~する)》の意味があります。目的語のusが補語のlaughingの意味の主語になり、usとlaughingの間には「私たちが笑う」という能動の関係が成り立っています。have(had)の意味は「OにCさせる」です。そのため「ジェーンは私たちを笑わせた」という意味になります。
I must have the letter signed first.
まず手紙に署名してもらわなければならない。
このhaveも「OにCさせる」という意味ですね。すなわち「手紙に署名させる」です。過去分詞には《受動(~される)》の意味があります。そのため、「the letter→signed」で「手紙が署名される」という受動の関係になっています。
She couldn’t make herself understood in English.
彼女は英語で話を通じさせることができなかった。
このmakeも「OにCさせる」と訳せばオーケーです。「herself→understood」の直訳は「彼女自身を理解させる」です。「英語で彼女自身を理解させることができなかった」→「英語で話を通じさせることができなかった」となります。
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